「僕」と「神」
これはホミキと言うユーザーと「もしも人類がいなくなり一人になったら」と言うお題で対決した者です
もしあなた以外の人類がいなくなったらどうしますか?
そう言って誰もいない空間へと僕は話しかける。その虚無感は心を突き刺す恐怖というより、少しずつ俺の心を包み込む恐怖だ。そんなことを思ったってなんの意味もない、なぜなら僕〝以外〟の人間は誰もいないのだから。
東京
一ヶ月前の朝それは起きた、朝目覚めるとものすごく頭が痛くそのまま気絶して起きたらこうなっていたのである。もしかしたら、みんながいなくなったんじゃなくて、僕だけがいなくなったということかも知れない。いずれにせよ僕以外誰もいないのだからこの話はどうでもいい。
もしかしたらノアの箱船のように、神様が選んだのかも知れない、70億分の1の恐怖だ。なんてアンラッキー?
それから一週間は特に何もせずに過ごし、その辺をぶらぶらしたり、誰もいない町を楽しんで行く。でも電気も水道もいずれなくなる。
そして人間がいなくなってちょうど10日後どこからが声が聞こえるようになった、それは外界から聞こえるというより、自分の頭の中から湧いて出てくるような感覚だ。
もしかしたら幻聴なのかも知れないと思うがなぜかわからないが違う気がする。もしかしたら神なのかも知れないモーセもキリストもムハンマドもこうやって声を聞いたのかも知れないと誰もいない世界で思う。
肝心の「神」だが何を言っているのかというと「もう一人の人間を見つけよ、それがお前の試練である」とか訳のわからないことを言っているのだ。
たしかに今思えば人間がいなくなったなんていう確証はない、他の人がいるかもしれない。でもこの世界は広くそれを探す気力もないし方法もわからない。
でも心の隅で思うほんとうに試練なのかも知れないと。
〃僕〃はすごくめんどくさがりやで何事も適当にこなしてきたいわゆる凡人である。でもそれを悪いとは思わない。自己防衛だ。でも攻撃してくる相手はいないはず僕以外には。でも「神」は言う「俺もいるぞ」と
俺は思う、誰かいるかもしれない探そう。
でもやっぱり僕は思う、無理だ。
そんなのよくわからない葛藤の後に「神」に押され探すことにする。探すというよりも生きるための食料や水、娯楽を探しながらただ歩いていると言ってもいいかも知れない。
数日後 東京
何もない、とにかく何もないでもひとつだけ発見があった、歩いてる時の僕の記憶が数時間消えているような気がするのである、でももしかしたら夢中になって歩いているから記憶がないだけかもしれない。
すると
「神」が言う「違うぞ」
「僕」は言う「お前は誰だ」こう聞いたのは、そうえば「神」の名前を聞いていなかったから純粋にというかほぼ無意識に聞いたのだ。
「神」は言う「俺は…だ」と。
そうして僕は気づく、全てに気づくこれは自分の意識に過ぎないと。そう思った時僕と俺は目覚めた、真っ白の部屋の真っ白なベッドの上で。
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