神々と歴史
■神々について■
現在では地上の世界に干渉しなくなった神々も、かつては全知全能の力を存分に
発揮して、大悪魔や古代竜たちと三つ巴の戦いに明け暮れていました。
なぜそのような戦いが起きたのか?
今となっては知識の神でさえ、その原因を知るところではありません。
神々は無数に存在し、各神殿が独自の解釈で、信仰する神の教えを説いています。
※この場では王都オルステインで信仰されている、主な三柱の神を紹介します。
●慈愛の神ラウノス
大地母神としての側面を持ち合わせており、大陸全土で信仰されている。
神官が村医者を努める場合も多々あり、辺境の各地に派遣されていたりもする。
慈愛の神ラウノスは、ふくよかな女性の姿で描かれる場合が多い。
神話上ではラウノスが地上に平和をもたらした事になっているが、特にそのよ
うな聖遺物は残されておらず、しばしば議論の対象になる。
●戦の神マレンティ
この世の全ての戦いを司る女神。
戦場において迷いなき勇気を示した者に力を与えるという伝説がある。
マレンティは黄金の髪をなびかせ、十代半ばの美しい少女の姿で現れるという。
新バルド帝国が国教とするほか、各国の騎士や兵士の間でも信仰が厚いものの、
金で雇われた傭兵の間では死をいざなう神として評判が悪い。
●知識の神ヴァルナ
人間が使う魔法とは何の関係もないが、知識繋がりで魔術学院との関係が深い。
知識の神ヴァルナは、小動物やローブをまとった老人の姿をしている。
オルステインの西海岸では、大悪魔テオ=キラとの知識対決をした伝説があり、
そのさい知識の間違いを指摘されたヴァルナが怒り狂って海を荒らしたという
たいへん不名誉な言い伝えが残されている……。
★その他の神、大悪魔、古代竜★
・勝利の神ロイスティ(マレンティの双子の妹、姉と対になる銀髪の女神)
・大悪魔レストアレム=イン=カーベル(人々に芸術や才能を与える大悪魔)
・大悪魔テオ=キラ(ヴァルナの内面から生まれたとも言われる知識の大悪魔)
・古代竜リグルウッド(神話の時代、人間の側についた数少ない古代竜)
■歴史について■
人類発祥の地は、オルステイン王国の北西の地だと言われています。
人間は神の創作物ではなく、神、大悪魔、古代竜の大三勢力が戦いを続ける中に
突如として現れ、地獄のような大地に身を潜めながら生き延びていました。
そんな人間の姿を哀れに思った一部の大悪魔たちは、彼らに魔法を教えます。
人間の歴史は、魔法の力を得たところから始まりました。
※ここでは主に、古代エスタモル王国に焦点を当てた資料を公開します。
●古代エスタモル王国(黎明期~前期)
魔法を手に入れた人間たちは、自分たちの拠点となる国を興した。
人間たちは神すらも知らない方法を駆使して、ありとあらゆる物を作り上げる。
オルステインの北西にある巨大遺跡群は、かつては宙に浮いていたという。
破竹の勢いで勢力を広げていく人間だが、同族同士の争いも絶えなかった。
ここで二分した勢力は、大陸の遥か南東でバルレロ王朝を建国する。
●古代エスタモル王国(中期)
魔法技術が栄華を極めた裏では、魔法に疎い者を奴隷にする制度が始まる。
都市の防衛にはゴーレムと呼ばれる疑似生命の兵士を採用していたが、自ら召
喚した悪魔の強靭さに心を奪われるうち、魔物の製造に興味が移り始める。
生物の巨大化や、任意の生物を掛け合わせたキメラと呼ばれる嵌合体を作り出
し、失敗作と分かれば何の手も加えられないまま野に放たれた。
※偽りの指輪が出回ったのは、この時代ではないかと推測されます。
●古代エスタモル王国(後期)
力に溺れた人間は自らをルーメル人と名乗り、神への挑戦を視野に入れる。
この時代では神々と大悪魔と古代竜の争いは終盤を迎えており、傷付いた古代
竜たちは身を潜め、ある者は大陸を去っていく。
大悪魔たちは自らの故郷へ戻り、神々も天界への帰還を余儀なくされる。
長きに亘る暗雲が過ぎ去ると同時に、ルーメル人の強大な魔力も衰え始めた。
●古代エスタモル王国(末期~終焉)
空中都市は機能を失い、使役していた悪魔は人間の支配を離れた。
奴隷は反乱を起こし、野生化したキメラたちは魔物となって人間に牙を剥いた。
かつての魔力を失ったルーメル人は混乱を極めたまま各地に散らばり、独自の
形態で魔法を復活させるまでの間、生存圏を地下迷宮へと移す。
※やがて力を蓄えた人間は、地上の魔物と戦い続けて、新たな王国を興します。