食料自給率の低下
二日目
パラサイトが目に見えて速くなってる。まず身に纏うオーラが俺らノーマルなヂャパニーズと違う。どういうことだよ羨ましい、俺も速くなりてえよ。そんなこと考えてたら視界の端からなんか出てきた。
[身体強化]を確認 ロード中
ロードが完了しました。
あ?ロード?それとなんだよこの表示。ヂャパニーズならなにが起こっても仕方ないとは思ってたけど、遂に俺の脳ミソはイカれちまったのか?原因があるとしたらチンカスのせいで起きた山火事だろ。クソ、チンカス。あのクソ野郎を殴らないと気がすまねぇ。ドコだ、どこにいるチンカス!俺の頭を直しやがれ!
1分後、山火事の被害者にボコられたチンカスを発見した。奴は気絶しているようだ。そうだな、景気づけに一発本気で殴ってやるか。今、俺に秘められていた力が覚醒する。いくぜ、俺の本気パンチ!
[身体強化]のコールを確認。
[身体強化]を使用します。
また出てきた、変なスクロール。目のはしっこをちらつくの本当に邪魔だからやめてくれ。まぁそんなストレスもコイツを殴ればスッキリするだろ。
気をとり直して。イクぜ、俺の本気パンチ!
ベチョ
チンカスの頭が潰れた。俺の拳で。ついでに衝撃に耐えられなかった俺の右肩から右手がひしゃげた。そのまま半分位破裂した。
ん?おかしいな、腕がイカれたのに不思議と痛くない。それになんだか頭がふわふわしてきた?
気力の低下を確認[身体強化]を停止します。
ずっとふわふわしてる。そろそろ気持ち悪くなってきた。そうか、これは悪い夢なんだ。だから変なロードが入ったり俺やパラサイトが異様に強くなってたり、挙げ句の果てには腕がぶっ壊れてもなんにも感じなかったりするんだ。
俺はチンカスの死体の上に覆い被さって出血過多の血液不足で死んだ。
俺が目覚めると辺りは焼け野原になっていた。まあな、山火事なんて絶対起こらないと思ってたけどさ、絶対は無いんだな。はて、今は何時だろ、最後に残ってる記憶が山火事の直前だからな。太陽の位置からして朝ってことは確実だと思うんだけどな。それが山火事から何日後だってことは検討もつかない。なんたって森のほとんどがなくなってるんだぜ。流石に1日でこれってことはないだろ。それにしてもなんだ?人間の骨と焼けただれた肉が山積みになってんじゃねぇかよ。死んで生き返るような設定なら死体なんて残すなよ。復活地点が決まってるから連続で死ぬと絵面がヤバイだろ。
その死体マウンテンに登ってくる奴がいる。アイツだ、マドガラスの野郎だ。いや、待てよ?一応美少女なんだから野郎はないだろ。たとえイジラーだろうが可愛いものは可愛いのだ。まぁいい。今は野郎にしとこう。
「あ、あの、ね?今日もコイちゃんのために雑草泥だんご作った。コイちゃん、コレ好きなんだよな。それにさ、今日のコレは一味違うんだ。だから、食べた感想を教えてくれよ」
何が違うんだよ。パット見変わらんぞ?それに俺はお前の髪の毛なんて食いたくないからな。
「か、髪の毛なんて入れてない。そんなのまだはやいだろ?で、でも、コイちゃんがどうしても食べたいって言うならそのまま食べても、いいよっ」
食べたくもねぇわ、そんなもん。で?何が一味違うんだ?
「あのな、俺コイちゃんのために悪魔に魂を売ったんだ」
ふーん、で?
「それでね。[万物創造]ってやつを使えるようになったんだ。出来上がった物の構造とかをしっかり想像しながら材料に力を込めると、完成品ができるの」
それで何が変わるんだ?作る手間が省略されるだけだろ?
「それがね、思いを込めれば込めるほど質がよくなるの。込め過ぎると疲れちゃうけど、なぜかコイちゃんへの愛情なら無限に込められたんだ」
まて、それは愛情ではなくてただの狂気だ。
「そんなの関係無いでしょ?俺がコイちゃんのためを思って作ったってところが大切なの!」
ああ、そうなのか、よくわかったよ。とりあえずソレは後で食べるからどっかに置いておいてよ。今はまったく、ホントに少しも腹が減ってないんだ。
グギュルゴキュル
フザケンじゃねえぇ俺の腹ぁーっ!
「ふふ、強がらなくてもいいんだよ?コイちゃん、この前から何もたべてないでしょ?俺が食べさせてやるから隣に座って?」
わかったよ、食べればいいんだろ。チッ、口に入った瞬間吐き出してやるぜ。バックアップはとった。もしものことがあっても大丈夫だろ。
「素直なコイちゃんは可愛いなー。はい、あーんして?」
あーん。
「ソレじゃあ召し上がれ」
突如マドガラスの持っているクソだんごから触手が生えた。理解できない。いや、理解はできる。いつの間にか俺ら二人の間に生まれていた愛情と言う名の狂気が具現化したものだろう。限りなくヤバイ物体だってことはわかる。危険度でいったらあの猿以上だ。あれを食べたら間違いなく俺は死ぬ。
咄嗟に口を閉じたが遅かったみたいだ。一本の触手が俺の可愛らしいピンクの唇を抜けて入り込んでくる。その勢いで喉を通り抜け俺の消化器へ。グッバイマドガラス。マドガラスはクソだんごが全て俺の口の中に入ったことを確認してから満足そうに帰っていった。一言、「また作ってやるからな」と言い残して。
せめて[万物創造]とやらの詳細がほしかったぜ。俺はクソだんごに腹をかっ裂かれて死んだ。死体の山がまた少し高くなった。
足下に俺の死体がある。やっぱり死んだのか。しかし何故腹が破けてるんだ?あのクソだんご改は結局どんな物資だったんだ?いちいちバックアップをとらなきゃ記憶が引き継げないってのは辛いものがあるな。まぁそんな過去のことはどうだっていい。それにしても山火事で多くの人が死んだから、みんな同じところで復活するのかと思ったら違いうのね。相変わらず見知った29人しかいないや。それともあれか?俺らのクラスだけが死んだとか?ありうるな。
それにしても腹減ったなー。オイ、そこのオマエ、一緒に食い物探しにいかないか?俺は名前も知らないちっぱいに声をかけた。
「?ニシキゴイさんですか?私でよければ御一緒しますよ」
俺は心強い味方を手に入れた。ついでに初期パーティーのどちらかを連れてくるか。
リアルハイスクール
他のクラスはあなたたちのせいで食べるものが無くなりましたよ?それにあなたたちだけですよ、初日に開始マップを焼き払って食料を消し飛ばしたのは。