表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
リアルハイスクール  作者: 田中ナブン
2/9

とり忘れてた

 現在入学式後、午後1時。俺は腹が減ったからあるかどうかすらわからない購買だとか食堂だとかを探してる。家?そんなん今の俺達には必要ないもんだよ。なんたってナゾジョには寮がある。

 そう言えば友達が増えた、3人程。1人はおっぱい、イジラーだ。残りは両方ともまな板だった。ただまな板シスターズは一人称が私だったし仕草もどこか女の子っぽかったのでイジラーじゃないのでは?と思ってる。ここは女子高のくせに純女子が少ないからな。もしかしたら他のイジラーをたぶらかす為の演技かも知れんが。

 あー、それにしても廊下が長い。やっと曲がり角にたどり着いたぜ。この先になんかあればいいんだけどなー。あ、ゴリラだ。あいつは俺らの担任説が浮上してるからな。黒板に文字書いただけで出てっちまったがきっとあいつはいい奴だ。俺の勘はよく当たるんだぜ。


 せんせー、俺ニシキゴイっていいます。せんせーは俺らの担任っすか?俺はゴリラに訊ねてみた。振り替えるゴリラ。返事はない。手に分厚いナイフを持っている

 どういうことだ?そう思った矢先、ゴリラの腕か動いた。もちろん手に持ったナイフも動く。そのまま俺の胸にナイフがめり込んだ。これはまずい、確実に死ぬ。数瞬遅れてやって来る激痛。


 痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い熱い熱い痛い苦しい…俺は必死に叫んだ。誰か助けて、く、れ。あのクソゴリラは既に見えなくなっている。俺は死ぬのか?入学早々にゴリラに殺されるのか?目の前は真っ暗でなにも見えない、それでも…

 俺の記憶は再び途切れた。


 ニシキゴイさんが【最初の死】を獲得しました。第1学年全員に共有されました。第1学年全員はこれより痛みを軽減することができます。




 目が覚めるとマイクラスメイト暫定と一緒に教室にぶちこまれてた。黒板になんか書いてある。へー、首についてるボタンを押すとバックアップがとれてその他諸々と。オッケー、理解した。


「おい、ニシキゴイ。なんかあったのか?何で上から降ってくるんだよ」


 誰だよオマエ。なんで俺のコト知ってんだよ。


「おいおいそりゃひどいだろ、さっきまで一緒にいたじゃないか」


 は?オマエみたいなおっぱいは知らねぇよ。言っておくが、俺は記憶力だけはいいからな?


「なんだよー、ニシキゴイー。俺とお前との仲だろぉ」


 気持ちわりぃんだよオマエどっか行けよ。マジで誰なんだよ。


「どうしたんだ?パラサイト、ニシキゴイになにかあったのか?」


 うわ、なんか来た。またおっぱいかよ。コイツら何で俺のこと知ってんだよ。ファーストおっぱいのパラサイトなんて奴俺の知り合いにも居ないしよ、セカンドおっぱいなんて名前すらわからないんだけど。


 はぁ?俺ぁオマエらなんて知らないからな、それより腹減った、オマエらなんか食いもん持ってない?


「さっきも言ったけどこの教室にいる奴は全員何も持ってないぜ」


 だから何なんだよさっきってよ。まあいいや、それじゃあ誰か食堂の場所とか知らないか?


「またさっきと同じこと言ってるぜニシキゴイ。何度も言ってるけど俺らはなんも知らないんだよ」


「それよりニシキゴイ、お前外に出てからなんか見つけたか?」


 は?外?それよりオマエは誰だよ。あっちのおっぱいがパラサイトっていうクソみたいな名前の奴ってことはわかった。アイツは脳ミソいじられてるだろ。多分オマエもいじられてるよな?


「あぁ、その通りだ。俺の名前はテンカス。名前の由来は天カスだ。決してチンじゃないからな、ソコのところよろしくたのむ」


 わかったよチンカス。あとオマエらの言い分じゃ、俺の記憶は吹っ飛んだみたいなんだけどどういうことなんだよ。


「まんまだよ、お前の記憶はどうやら吹き飛んじまったみたいだぜ。ニシキゴイ」


「となると、原因が外にあることは間違い無さそうだな」


 ふーん、まあどうでもいいや。食堂探しのついでに俺の記憶が消えた原因を探せばいいだけだしな。そんじゃ一緒に外行くべ。パラサイト、チンカス、ついてこい。

 そういう運びとなった。



 あー、廊下が長い。オマエらなんか見つけたか?どこ見てもなんにもないから俺ぁ飽きちまったぜ。


「お、ニシキゴイ。あそこ見ろよ曲がり角があるぜ。とりあえずあそこまで行ってみないか?」


 本当だ。ただの窪みじゃないことを願ってるよ。それにしてもなんか臭わないか?生臭いような、なんと言うか表現しにくい臭い。


「確かに臭うな。なんの臭いかはわからないけど」


 もしかしたら食堂があるかもな。まぁこんな臭いじゃ味には期待できないけどな。


「そんなこと言うなよニシキゴイ。シュールストなんとかっていう魚の缶詰は凄ぇ臭いらしいけど、意外と旨いんだってよ」


 シュールストレミングだっけ。俺もそれ聞いたことあるよ。




 そんなこんなでやっとこさ曲がり角に辿りついたが、これはどういうことだ?死体が落ちている。心臓を一突きだ。それはいい。ただなんだよオマエ達。なんで死体と俺を見比べてる。そんなに俺と死体が似てるのか?


「あぁ、そっくりだ。さっきまで俺と話してた奴と。どういうことだよニシキゴイ。お前は誰なんだよ」


 俺は俺だよパラサイト。多分コイツは前の俺だよ。ほら黒板に書いてあっただろ、これを押すとバックアップがとれるって。前俺はバックアップをとり忘れたんだろ。ほらオマエらもこうならないようにバックアップとっとけよ。




 リアルハイスクール

 セーブはこまめにとりましょう。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ