日向七帆さま お祝いメッセージ
『紺野班の皆様へ』
今日は、なろう大学の卒業式。紺野班のメンバーも揃って卒業式。いちばん心配だった小野君も無事に卒業式に出席。良かった、良かった。
戴帽式を廃止しているので、普通の大学の卒業式と変わらない。男子はスーツか羽織袴。女子はスーツかドレス、袴姿。私服よりも実習服の姿を見慣れているだけに、やたらと派手に見える。
式が終わった途端に羽織袴の紺野君が同じく羽織袴の小野君に抱きついた。
「小野~。良かった。お前が一緒に卒業できて!」
紺野君は抱きついたままむせび泣いている。
「泣くほど喜んでくれるなんて、紺野、お前いい奴だな。」
小野君が思わず涙ぐむ。
「バカヤロ!班長として、生きた心地がしなかったんだぞ!」
「そっちかいっ!」
「そうだぞ!小野っち!」
「そうよ。私たちがどんなに心配したと思っているのよ?」
「課題やるの、やたら遅かったし。ねー、みんな。」
美羽ちゃんの一言にみんながそうだそうだと声を上げる。
確かに心配だったけど、こんなにみんなに気にかけてもらえる小野君が、よつ葉としては、ちょっぴりうらやましかったよ。
「誠に僭越ながら、祝辞を読ませていただきます。日向七帆さんからのメッセージです。
『紺野班の皆様、ご卒業おめでとうございます。実習、試験、就職活動など、たくさんのハードルを越えて今日の日を迎えられたこと、心より嬉しく思います。実習中のご様子をよつ葉さんから聞いては、思わず吹き出してしまったり、思わず息を飲んでしまったりと、いつもドキドキししていました。皆様のことは、お会いしたことがないとは思えないくらい親しみを感じています。だからこそ、喜びもひとしおです。また、メンバーの方を勝手に登場させて小説を書かせていただいたことも私としては懐かしい思い出です。
そして私事ではありますが、私も学生時代に長期入院をしていた時期があり、その際には食事は摂らない、脱走はする、消灯は守らない、という不良患者でした。みなさんも横着な患者さまや入居者さまに出会ってしまったら、日向みたいな奴に出会ってしまったと、笑い飛ばしてください。あ。もちろん、あの頃、ご迷惑をおかけしたことは反省していますよ。
お会いしたことがなくても、こうして離れた場所から見守っているおせっかいなファンがいることを胸に、羽ばたいていってください。春の佳き日に。日向七帆』
実はよつ葉は、みんなのことを小説にさせてもらっていてね、七帆さんはその時にお友達になったの。卒業のときに話すつもりでいたの。よかった。こうしてみんなに話す日を迎えられて…。」
よつ葉が思わず涙ぐんでいると、みんなの目にもうっすらと涙が浮かんだ。
「おい!よつ葉。おいしいトコ持ってくなよ~。実習記録に教授のハンコ忘れた奴、誰だよー。」
そんなところへ前原君の一言に、涙が頬を伝った顔でみんながどっと笑った。
卒業証書を胸に、桜が舞う佳き日を迎えた紺野班のメンバー。これからもいろいろなことに出会うと思いますが、学生時代に学んだことも思い出もすべて皆様の糧になっているはずです。それぞれの道へ進む皆さんのこと、ずっと応援しています。これからも頑張ってください。皆様。おめでとうございます。
日向七帆さま、紺野班へ素敵なメッセージをありがとうございます。
4年間、共に過ごしてきた仲間なので、とっても嬉しいです。本当にありがとうございました。




