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あいつの小説

初めての小説です。今まで異世界もの(載せてない)ばかり書いてたので、ラブコメっていうより、ラブコメっぽい何かになると思うので、そこのところ宜しくお願いします。


 眠い、ひたすらに眠い。

 何故、世界史の授業というのはこんなにも眠くなるものなのか。もしかして、世界史の授業は眠くなるという呪いでもあるのだろうか。それならば世界史の授業中、眠くなるのも頷ける。きっと、そうだ。いや、そうでなくてはならない。

 俺は、重い瞼をこじ開け、周囲の様子をうかがった。

 と同時に脳天へ世界史の教科書が俺に刺さった。

「あだっ、いってーなコノヤロろぉ………?」

「おう、田窪、よく眠れたか?」

 額をさすりながら目線を上げると、そこには、美しく輝く肌色の水晶球が……

「はっ、見える、見えるぞ。俺のこの後の姿が……!」


「ほう、どう映っとるってんだ?」

「えぇとですね、まず怪人がいきなりこの教室に乗り込んできて……」

「ふんふん、それで」

「それを、天才である俺がバッシバシとやっつけるわけです」

「ほぉ、それはそれは」

「んでもって最後に先生が、助けてくれたお礼にと、俺の遅刻や欠席、減点を無くしてくれるわけですよ」

「………んなわけ、あるかボケ」

「あだっ、……うぅ、どうしてそんなことが言えるんですか!もしかしたら本当に今からおこるかもしれないじゃないですか!」

「起こったとしても別にお前の成績良くしたりせんわ」






 「飽きた、飽きたよ田窪」

オレはそう言って、途中まで書いた原稿用紙を田窪に投げた。

「いや、まぁ、すぐに飽きるとは思ってたけど……それにしても早いね」

田窪は呆れたようにこっちを見ながらその優しそうな顔で笑って言った。

「えぇ、早いかオレ?…オレ今日初めて小説なんてもん書いたんだよ。それにしては長続きしたほうだろ」

「確かに、それもそうだね。今日初めて小説書いたにしては上手かもね。エライエライ」

と言いながら田窪はオレの頭を撫でる。子供扱いされてるようでちょっとイラつく。

「そう言う田窪だって小説家じゃないだろ。偉そうに。ってか、田窪は何書いてんだ?」

気そう聞くと、田窪は少し気まずそうにこっちを見てこう言った。

「京子にはまだ早いかなぁ……なんて」

「あぁ?それどういう意味だよ、もったいぶらずに言えよ」

「怒らない?」

「怒らない」

「ホントに?」

 ジ―――――――――――――

「わかった、わかったよ」

 田窪が観念したようだ。よしよし。ん?田窪の奴、顔赤らめてどうしたんだ?

「……か…せつ」

「はぇ?何つった?」

「はぁ………、官能小説」

「んなっ!お前なんちゅーもんをっ!」

そんな破廉恥はもの書く奴だとは思わなかった。こんな変態には天誅だ!断罪だ!

「痛っ、アイタタタ、痛いよ、京子。怒らないって言ったじゃん」

 問答無用、こんな変態を世間に解き放つわけにはいかない。人類の為にも今ここで駆除しなければ!私情なぞない。

「おまっ!せっかくのオレの日曜日をっ!しかも今日はデートするって約束だったのに、お前がどうしてもって言うから来てみれば、官能小説って!官能小説って!……オレは官能小説以下かコノヤロウゥ!!」

前言撤回、120%私情です。いや、これはどう考えても私情で怒っていい案件だ。日曜日にデートしようって誘っといて、当日どうしてもやらなきゃいけないことがあるから家に来てって言って、言ってみれば官能小説だとっ!ふざけるな!お前は官能小説とオレのどっちが大事なんだよっ!ってか、何で殴られて嬉しそうなんだよお前!

「ご、ごめん京子……」

「嫌だ!ふざけんな!」

「だ、大丈夫、モデルは京子と僕だから……ね?」

「何が『……ね?』だ!むしろ問題だ!」

「プライバシーの事?大丈夫だ、問題ない」

「大問題だよっ!」




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