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(軽度に)作戦会議を始める部活動の仲間たち【欲望編】

「えぇ~~……」

 犬養の渋い声が部室の固い壁を叩き反響する。

「ぶっちゃけ言いましょう……(キリッ)学園八割以上の集客数を集めるのはまず無理です」

「うぅ……」

「亀梨……そんなに恨めし気に観ないでください。睨まれるのは貴方の仕事でしょう」

「開始いきなり諦めモードに入られたら誰だって目を鷹のように睨みたくなるわ……」

「冷静に考えてください……(ハァ)ウチは中等部だけで1000人を超えますがそれでも最低800人は無理です。視聴率30パーセントを超える長寿番組を一夜で作れと言われてるようなものです。時間も金もありません……夜逃げして新しい人生を歩んだ方が遥かに楽で建設的です」

 渋い声で壮大な例え話を出しやがったよ、この人は……

「じゃあ……部費の減額は免れないの?」(スズメ)

「いえ……(首を振る)免れない免れるじゃないです……やらないといけません!(ビシッ) そうでなくともアイドル部は金を喰います。ここで減額を食らえば今年行われるアイドルインターハイ(アイドル部の甲子園のようなもの)には出れません」

「どうしろって言うのよ!(マオ) 話が進んだり下がったりで滅茶苦茶になってるわよ!」

「滅茶苦茶……?(ギロリ) 元を正せばアナタ達に人気がないからこんな事態になってるんですよ」

「なんですってぇ!?」(ガァ~~!)

「文句があるなら少しは人気を上げてください。いつもいつも首を引っ込めた亀を追いかけてないで?」

「どの口がそれを言うのよ!? えぇ、この忠犬が!?」

「私は事実を言ってるだけです。貴女達五人はお世辞といって人気は微妙です。理由を言ってあげましょうか?」

「……い、言ってください」(龍子)

「お言葉に甘えて……(コホン)まず根本的に全員向上心が低すぎます」

「うぐぅ……」(スズメ)

 痛いところを突かれて左胸の巨乳を押さえやがった。(エロイなぁ……)

「一点特化と言えば聞こえはいいですがその反面、好きなことしかしてない。マオは踊り以外はてんで」

「うぐぅ!?」

「すずめは歌は歌えるけど踊りはダメ」

「くくぅ……」

「龍子は演出に気を取られて本番がグダグダ」

「あうぅぅ……」

「ネミはアドリブが弱い」

「……」(ダラダラ)

「子音はその逆ですぐアドリブを求めて演目を台無しにする」

「あ、あはは……」

「こんな中途半端な奴らがどうやって中等部だけとはいえ八割の集客をかき集めることが出来るんですか? ゴリラだってあつまりゃしませんよ……集まるのは埃だけ」

「うぅ……犬養君の言葉だから反論できない」(スズメ)

「これが玄斗なら殴ってるところなのに……」(マオ)

「玄斗くんなら殺す……」(龍子)

「せんぱい……せんぱいなら……せんぱいならぁ……」(ネミ)

「あははは……玄斗くん、愛されてるねぇ?」(子音)

「どこがだよ!(ドッカァァン!) お前らオレをなんだと思ってる! というか犬養の言うことは利くんだな? オレの言うことは全部逆らうくせに! どういう始末だ!?」

「「「「「玄斗(くん)が私(ボク)に従ってれば痛い目に合わずに済むんだよ!」」」」」

「おし、戦争だ! オレは一足先に逃げる! あばよ、とっつぁん!」

「がっ……」

 パンパン!(手を叩く音)

「と言って不可能だから出来ないではすみません。やれることはやりましょう……(ホワイトボードにマジックを走らせる)我々がしなければいけないのはこれです!」(バシンッ!)

『・テーマを決める。

 ・演目を決める。

 ・衣装を決める

 ・センターを決める。(決める対象は亀梨)

 ・宣伝営業

 ・練習とリハーサル。』

「ですね……!」(犬養)

「「「「「はいはいはいはいはいはいはいはいはい!!!!!!」」」」」(一斉に手が上がる)

「センターを決める基準が亀梨って……ようするに」(スズメ)

「センターを決めれば」(マオ)

「玄斗君の……」(龍子)

「愛と自由を……」(ネミ)

「独り占めできる!」(子音)

「出来るか!」(オレ)

「出来ますよ(ニッコリ)」

「なんでだよ!? おい、ふざけるなよ! ここは無法者がのさばるアンダーグラウンドか!? オレの意思はどうなる!? 人の情はどこにいった!? なんか言ってみろよ、この猟奇者どもがぁ!」

「「「「「玄斗(くん)は黙ってうるさい!」」」」」

「がぁっ……」

「はいはい、話がまとまったところで」(パンパン)

「まとまってない! 一切まとまってないよ! まとまってるのはこいつらの猟奇的な心だけ! オレの話は全部無視されてるよ! お願いだからオレの話を聞いてよ! オレ、部長様だよ! まとめ役だよ! 決して愛玩動物じゃないんだよ!? 心臓と脳のある霊長類なんだよ!」

「明日は日曜で休みですからセンターを決めるのは明後日の月曜の朝……この部室で決めましょう!」(いい笑顔)

「決めないよ! なんでオレが自分の処刑方法を自分で決めないといけないの!? いつからここは自分で処刑方法を自分で決める独裁王国になったの!? オレの自由はどこに旅立ったの!? ねぇ帰ってきてよオレの自由と尊厳! カムバァァァック!」

「亀梨玄斗!」(ガシッ!)

「な、なんだよ?」

「アナタはこの部の部長でありプロデューサーです! そのプロデューサーがセンターを決めるという大事な仕事を放棄してどうします! 貴方は苦心しながらセンターを決め、選ばれなかった女の子の怒りを一身に受け陵辱される義務があります! 恥辱を恐れてどうします! むしろ絶望してこそのアイドル部……いや、亀梨玄斗でしょう! 私は見たいんです! 合法的に一人の男が愛欲の底なし沼に沈んで絶望するゾッとしないの姿を! 亀梨玄斗! アナタは私の生き甲斐です! 生きる喜びです、希望です! 私を悦ばせてください! 私の乾いた心の砂漠に貴方の涙を降らせて瑞々しい花を咲かせてください! 300円、あげますから! むしろ貰ってあげますから! いい条件でしょう!」

「なわけあるか!(ドカン!) なんだ、マジメな顔をしてオレが苦しむ姿を観たいだけかよ!? 鬼も悪魔も驚天動地する鬼畜っぷりだな!? 閻魔様も新しい地獄が出来てゾッとしてないぞ!」

「官能小説だって女性の苦しむ姿に興奮するでしょう」(キョトン……?)

「人をポルノ小説の主人公にするな!」

「現実は小説より奇なり!(名言) よりエグく、より残酷な淫獄を一か月後に多大に期待してますよ!」(ニッコリ)

 こ、こいつ……

 本気でオレの命が弄ばれる瞬間を見るつもりだ……例え、オレの魂が砕けて精神崩壊してもいい茶菓子だと湯呑を傾けて飲む気満々だ……

 マオやスズメなんて目じゃない……

 コイツが一番ヤバイ……

「私は構わないけど」(マオ)

 なぬ!?

「どうせ選ばれるのは決まってるし」(スズメ)

「選ばなければ選ばないで結果は変わりません」(龍子)

「ネミを選ばないなら……それなら……それならいっそのこと(ジャキン!)」(ネミ)

「面白くなりそう♪」(子音)

 いや、なんか怖い。あの人たちオレのことジィと凝視してるんですけど!? やべぇよ母ちゃん、オレ、()りたくなってきたよ……

「「「「「玄斗(くん)~~♪」」」」」

 ひ、ひぃ……

「「「「「私(ボク)を選ばないと東京湾の隅で右足をコンクリ詰めにして首をナイフで抉られながら鮫と海中ダンスを踊って海底の肥料になってもらうからね♪」」」」」(ニヤリ)

 本気でオレの命を殺す気だ……

 自分の愛欲さえ満たせればオレの命があろうがなかろうが大した問題じゃないって思ってやがる。

 だって目がグルグル回って狂気に満ちてるもん!

 猟奇だ……

 マジで猟奇だ……

 これがファンタジー世界で相手がオークでオレがTS(性転換)してたらさぞや同人ネタが潤っただろうな……

 ていうか……死んだ方がマシなレベルだ!

 クッ……殺せ!

 このまま辱めを受けて生き恥を晒すくらいならいっそ殺せ!

「……」(ナイフを取り出す)

「ごめんなさい」(土下座)

 オレの死刑執行を決める地獄のセンター決めが始まるのであった。(逃げたい)

 今回、エロ漫画先生を読んで出来上がった小説を印刷して赤ペンで何度か書き直して作りました。

 え、マンガに影響されるタイプだろうって?

 否定はしませんがまぁ……結構楽しめましたよ!

 なによりもパソコンのモニターで見る文字より紙の文字のほうが読みやすいですしね。

 次回、それぞれの休日が待ってますよ!

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