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(軽度に)金銭的危機に陥る部活風景

 なぜだ……?

 なぜなんだ……?

 なぜオレは昼食から放課後までの今の記憶がすっぽり抜けている?

 そもそもなぜオレは放課後にいる?

 確か昼食を食べてから、オレはすぐに授業を終えて放課後を迎えている。

 なぜオレはここにる?

「センパイ……」

「うん?」(首を下げる)

「アホ面を下げてどうしたの?」(見上げる美少女)

「誰がアホ面だ……」

 あざとく首をかしげる少女。初等部の後輩、猿谷さるたにネミだ。

 蒼い髪を後ろに一纏めにしたおさげに眠たげなジト目。

 オシャレでつけているのか小さな伊達メガネになぜか両耳に質のよさそうなヘッドホンをつけ、左腕にも小学生がつけるには立派な電波時計。

 なんかちぐはぐしてる。

 なんだかその辺にあるパーツを手あたり次第付けた感じのオシャレがある意味、なぜか可愛かった。

「で、オマエ……なんでここ(中等部)に?」

「生徒会長がセンパイを呼んでこいって……行った方がいい」

「生徒会長がぁ……?」(嫌な顔をする)

 そういえば例の話、まだしっかりとまとまってなかったなぁ……

 行きたくないなぁ……うん?(目線が下がる)

「センパイ……(手を握る)生徒会室まで……案内する?」

「いや、生徒会室くらい知ってる……」

「じゃあ、ネミに中等部を案内して……」

「いや、オマエ、散々、中等部に入り浸ってるじゃない……ウギャ!?」

 に、握られた手が……くだけるぅ……(ギリギリギリギリ)

「センパイ……(ギリギリ)生徒会室まで……(ぎりぎりいいいぃぃ)案内して……(ぎりいぃいぃぃぃぃ)」

「や、やめろ……て、てが……」(首をブンブン)

「センパイ……(骨のきしむ音)一緒に(嫌な音が鳴る)……行こう(ゴキッ)?」(手を引っ張る)

「て、てのちからをぬけぇ……」(泡を吹きながら引っ張られる)

「……」(振り返る)

「な、なんだよ?」(涙が出てる) 

「また手を大きく……なった?」(ポッ……)

「な、なんで?」(手がジワァと痛い)

「前……(握った手を見つめる)よりセンパイの手……握り辛い(ポッ……)」

「なに照れてる……」

「……センパイ」(握られた手に力が入る)

 ギギギィ~~~~~~~!

「くだけるくだけるくだけるうううぅぅぅぅ……(首をぶんぶん)!? ていうか生徒会室の道ってここじゃないだろう! どう考えても遠回りしてるぞ(絶叫)!」

「うん……(首を振る)センパイと長く手を繋ぎたいから……ちょっと遠回りしてる」(てれてれ)

「手を繋ぐのは結構だが……せめて力を抜いてくれぇ……」

「手の力を抜いたら……センパイ……逃げる(指をびしっと突き立てられる!)」

「逃げない!」

「いや、逃げる……センパイは……そういう人……」

「朝も同じことを言われた気が……」

「あ……?」

「ひぎゃ」(手を離される)

 手がジンジンと痛い……

 朝からなんでこんな酷い目にあい続けないといけないんだ?

「着いちゃった……」(寂しそうに生徒会室の扉を見上げる)

「そ、そうか……それはよかウギャァ!?」(足の甲を踏みつけられる)

「センパイ……私……一度、部室にいくからサボって帰らないでね……」(胸の上を○を描くように線を書き、拳を突っつく)

「それなら大丈夫……部活には顔を出す……というか出さないといけないからね(涙目)」

「……?」(首をかしげる)

「じゃあ、我が愛しの生徒会長様に逢ってくるよ……」(生徒会室の扉に手をかける)

「センパイ……浮気はダメ……」(あざとく小首をかしげる)

「浮気もなにもつきあっても……ウゴォ!?(鳩尾に芸術的なボディーブローが当たる) ごほごほぉ……」

「ネミ……冗談は嫌い(跪く俺を見下ろす)……次、冗談言ったら(開いた指を人差し指から小指まで順番にゆっくりと数を数えるように折り畳み拳を握りしめる)……貫く」

「……」

 なんで俺の周りには力づくでものを動かそうとするやつばかりなんだ……

 泣けてくる……(オレの弱さにオレが泣く)



 生徒会室に入ると予想通り先客がいた。

 凛とした鋭く紅い目に煌びやかな白い銀髪。スラッとしながらも鍛えられた長身。アニメやゲームなら流麗の女騎士か女流剣士みたいな美しさ。変態なら一度くらい、「くっ、殺せ」と言わせたくなるほど扇情的な色気がこの男から漂っていた。

「先に失礼してますよ……亀梨かめなし

「待たせたな犬養いぬかい……」

 耳に入る渋い声にオレは耳が心地いい気持ちよさに震えた。

 見目麗しい女性騎士のような見た目。声を聴けば聞くものを疑う渋い声。

 あえて例えるなら……

 フレンドリーさを手に入れた碇ゲンドウ!

 渋みを増した野原ひろし!

 ヤングでないほうのブラックジャック!

 とにかく見た目は令嬢。声はダンディー。それが親友(?)犬養いぬかいけんすけだ。

 声でガッカリする者もいるが慣れてくると逆にこの渋い声で喘いでほしいという変態もいる。(オレもそんな感じ)

「おぉ~~おぉ~~……」

 犬養と違った幼く可愛い声がオレの耳に響く。

「色男が二人も揃うなんていい見物だねぇ……?」(ニヤニヤ)

 手に持った「麒麟」と書かれた扇子を閉じてオレ達ん突き刺す。

 中等部生徒会長、麟道りんどうキキだ。

 太陽のような綺麗に輝く金髪。黒く小さな丸メガネ。頬はほんのり赤らみどこか快活な子供を思わせる美少女。腰も布地のジャケットをベルトのように巻き、怪しげさを出していた。

「今日二人を呼んだ理由はわかってるよねぇ……」(扇子を広げ煽ぐ)

「言われなくとも……」(コクリ)

 犬養の渋い声が、になまで言うなと言いたげにオレと生徒会長の鼓膜を揺さぶった。

「我々が呼ばれた理由は我らが所属する部活……「アイドル部」のことでしょう?」

 生徒会長の丸い目がニッコリ微笑む。

「そう……「アイドル部」の話♪」

 あまり聞きたくないなぁ……

「我が校は二十年前に設立された学園私設クラブ「アイドル部」が存在するのは当然、知ってるわよね?」

「知ってるもなにも……(呆れる)オレが部長で犬養が(犬養を指さす)副部長が……バカ五人を(手を広げるパーにする))しっかりと導きながら頑張ってるよ(ハァ)」

 今朝から今まであったメンバー全員、オレが所属するアイドル部の部員たちだ。

 曲者揃いだが実力(だけ)はある馬鹿どもだ。(そう……実力だけは)

「でもねぇ……(色っぽく目線を反らす)近年のアイドル部の活動は著しく停滞気味(熱い吐息を漏らす)……それとは別に最近力をつけ始めたソフト―ボール部、卓球部、柔道部に予算を裂きたいのよねぇ……(はぁ)」

 手に持った扇子を閉じ、空中で○(まる)を描き、真ん中にYの文字を作り三等分する。

「当然、部費というのは活躍に応じられた分だけの予算があてがわれるのは常識……その点において君たち二人の部はどう?」(ニヤニヤ)

 犬養の鍛え上げられた胸元に手が当てられる。

「去年の年末ライブの観客集客数は……」

 当てられた懐から巻物を取り出し、バサァと広げる。

「全校生徒の割合で行けば約2割……1000以上の学園生徒数を考えれば200人程度ですね……」(渋い声)

「そう(ハツラツとした声)! して、さっきの三つの部の戦績だけど……(パソコンを広げタイピングする)ソフトボール部県大会準優勝、卓球部全国出場、柔道部に至っては個人団体ともに優勝と準優勝……」(淡々(たんたん)としている)

 生徒会長の丸い目がオレと犬養を睨む。

「学園というホームグラウンドで君たちの今の戦績だと今の部費は与えすぎなんだよねぇ……(ため息)先生たちも実績を上げてるお三方さんかたに部費を与えて力をつけさせたいというのが本音」

 しみじみ言うなぁ……

「当然ですね……」(犬養の声に憂いが含まれる)

「で、でも……(机を叩く)オレ達の部だって結構、部費をカツカツで贅沢に使っては……」

「そうだよねぇ……」(ニッコリ)

 わかってますと言いたげに手に持った扇子をオレに向ける。

「だからこっちとしても部費を削減されたくなければそれなりの結果を出せと言いたいわけ」

「け、けっか……?」

「そう(素敵な笑顔100%)♪ 来月の月末……ようするに6月の末日にこっちの方でステージを一枠設けるからそこでライブを行いその集客数を全校生徒の比率8割以上を叩きだすこと! そうすれば部費の削減は見送り……むしろ結果次第では部費の増額も考えてあげる。(丸い目が意地悪に細まる)異論はある?」

「……」(犬養を見る)

「……」(眠ってるように目を瞑っている)

「……はぁ」

 無条件で削減されるよりマシか……

 バンッ!(机を叩く)

「受けて立とうじゃないか! アイドル部の底力見せてやるぜ!」

「そう……(ニッコリ)でも失敗したら責任は取ってもらうから♪(ニコニコ)」

「せ、せきにん……」

 笑顔が怖い……

「そうだなぁ……とりあえず……(左手の薬指を突き出す)……期待してるからねぇ♪」

「モテモテですねぇ……亀梨」(悪気のない笑顔)

「……重すぎるわ」(ガックシ)

「じゃあ、二人とも健闘を祈るから……♪ (扇子を開きパタパタと仰ぐ)カッカッカッ♪」



 生徒会室から出るとオレと犬養は速足で旧校舎にあるアイドル部の部室の扉をバンッと開ける。

「ッ……ッ……ッ……♪」(足が激しく振り上げされ、腰を動かし、クルリとターンする)

 マオの目にも止まらないダンスが鏡に映りリズミカルに動く。

「あ~~……あぁぁ~~~……♪」

 スズメの歌声がマオの踊りに合わせて響く。

「……」

 作曲雑誌を読み更けながらネミと龍子は耳に付けたヘッドホンを揺らす。

「なんでやねん(ビュッ……)! なんでやねん(ビュッ……)!」

 子音……なぜオマエだけハリセンを持ってツッコミの練習をしている!?(お笑い芸人に転向する気か?)

「見事にやってる練習がバラバラですね……」(オレを観る)

「まずは……」

 パンッと手を叩く。

「うん?」

 今までボォ~~としていたバカ五人の目が集中する。(ここだけは唯一の美点だな)

「今から大事な話をする! 心して聞くように!」(顔だけシリアスモードで手は祈るように握られている)

「大事な話?」(スズメ)

「どうせコイツの大事は大したことないことの方が多いのよ」(マオ)

「指輪ならもう少し大人になってからでもいいですよ」(龍子)

「センパイ……お菓子食べたい」(ネミ)

「なんでやねん!」(子音)

「……」(犬養)

「……はぁ」(オレ)

 まずこの統率の取れてない現状をなんとかしないとな……

 前途多難な部費をかけた戦いが幕を開けた。(出来れば閉じたままでいてほしい)

 ここまで書いて主人公たちに目標がないことに気づき、目標を作りました。

 というか最初からこういうことをすると考えていたのですが最初はギャルゲーのOPみたいに一日完了してやるつもりでしたが善は急げといいますしかなり乱暴に進めました。

 結構、キャラが多いから才能のない私で裁けるか不安ですが頑張ります。

 次からファンタジーのほうの続きを描く予定なので良ければ読んでください。

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