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「ずるい勝利」

 

 次の対戦相手はカオスことマッカート・リンディだ。

 俺は負けるかもしれないという不安と

 100万Gをもらえるかもしれないという希望

 に板挟みになりながらカオスに挑むこととなった。


 勝てるだろうか?

 1位のカオスに100以内にも到達していない俺が……。

 いや、考えるな。

 100万Gのことだけ考えていればいい。

 ……行くぞ!!


 ピピピピピ


 VRBSヘルメットが鳴った。

 試合開始だ。

 

 早速ヘルメットを被る。

 その瞬間、いつもの闘技場みたいなところに俺は移され

 目の前にはカオスであろう人物が現れる。


 そういえば今まであまり気にしたことが無かったが

 鏡みたいなのに覆われたところに大量の文字が流れていた。


 そりゃ一位だと人気があって当然だから

 これだけ文字が流れてても不思議ではないな。


 文字の内容はだいたい


「カオス!! 頑張れえ!!!」


 だとか


「そんな雑魚けちょんけちょんにしてやれww」


 だとか

 まあ何というか俺が不甲斐ない内容ばかりだった。


 さて、そんなことはどうでもいいか。

 問題はカオスにどう勝つかだ。


 前に勝てるみたいなことを言ったが、

 本当に勝てるかどうかは分からない。


 でも……やるしかない……!!!


「おいおいこんな雑魚と当たるなんて全然ポイント稼げないじゃん」


 カオスはそう発言すると


「まあ最後だしいいか」


 と続けて言った。


「バトルスタート」


 合図と共に試合が始まる。

 

「うおおおおおおおおお!!!」


 俺は剣を抜きカオスに突進した。






 ……え? 何が起こった?


 気が付けば俺は青空を見ていた。


「何が起こったんだ」

「まだ生きてるんだあ」


 カオスの声が聞こえる。

 俺は立ち上がった。


「最後だし、楽しませてくれよお」

「!?」


 カオスのその発言の瞬間、俺は普通じゃありえない方向に吹き飛ばされていた。


「言わなくても分かると思うけど」


 カオスが口を開く。


「僕の魔術は”混沌カオス”。つまり……何でもありってことさ!!」

「ぐほっ!!」


 俺の体が壁にぶつかる。

 初めから結果は見えていた。

 俺は負ける。

 

 待てよ……100万G!!


「おい、1位のカオスさんよお」

「ほお、まだ息の根があったか」

「魔術も強いなら当然……体術も強いんだよなあ」

「何?」

「俺……体術ならお前なんか屁でもねえぜ。剣も使わなくてもいいかもな」


 そう言いながら俺は剣を捨てた。


「な……なんだとお!!」

「悔しかったら、体術で俺と勝負しろ!!」

「いいだろう。受けて立つよ」

「うおおおおおおおおおおお!!!」


 俺は再びカオスに向かって突進した。

 






 結果。

 俺が勝った。

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