逃亡
「いい朝だ」
曇り一つない真っ青な青空。
決断を実行するにはいい日だ。
俺がした決断。
それは……。
「母ちゃん。父ちゃん。妹たち待ってろよ。今帰るから」
学校から逃げることだった。
DENSYAに乗ること3時間。
故郷に辿り着く。
俺の携帯に学校から着信があるが無視する。
しかし、しつこいな。
一時間は鳴りっぱなしだ。
うん。以上だ。
「ただいま!」
「お、武夫帰ったか」
妹が出迎えた。
「武夫じゃなくて、お兄ちゃんと呼べ」
「お前ほどの馬鹿をお兄ちゃんと呼ぶ気は起きない」
ガーン。ショック。
まあいいか。昔からそうだし。
「お、武夫お帰り」
「お兄ちゃんお帰り」
父ちゃん母ちゃん弟たちも出迎えてくれた。
「ただいま」
「それより武夫。学校はどうしたんだい」
う。この質問どうしよう。
「ああ、退学になった」
「そうかい。また馬鹿なことをしたんだねえ」
家族にまで馬鹿って言われる俺どうよ? 悲しくなるねえ。
まあ深く探られはしなかったからそれはいいが。
「武夫。馬になれ。乗ってやるから」
俺は妹たちと遊んだ。
ひひーんと声を出しながら。妹と弟を乗せはいはいする俺。
うん。我ながら馬鹿だ。
いつもの日々に戻る。
楽しい日々が。
「あ、はーい」
ピンポーンとチャイムが鳴る。
両親がそれに対応する。
「武夫!」
ん? 何だ?
「何?」
「特別軍事学校マジリティからクレイン先生という人が来たのよ」
「え?」
俺は耳を疑った。




