悩み
俺は悩んでいた。
え? 学校生活満喫して楽しそうじゃん。悩んでるの? 武夫が? アハハチョー受ける。
と思ったそこの貴方。
俺だって悩むんよ。人間だもの。
もちろん悩みはこの前と同じことだ。
戦争に駆り出される。
学校生活を送っている間しばらくそのことは忘れていたが、ボケっ―とするとまたこの事が頭をもたげる。
俺は死にたくない。
というより、故郷にいる家族を悲しませたくない。
だから俺はこの学校を辞めたい。
しかし、どうしたものか……。
そんなことを考えつつ、次の授業へ向かうため廊下を歩く。
「お、武夫君」
「お、お前は」
「エルベルト・サイマーだよ。その様子だと覚えてくれたようだね」
廊下でエルベルトとすれ違った。
「俺は良心的な人物は覚える主義なんで」
「あは、それはありがたい。それはそうとして」
「ん?」
「浮かない顔してるね。何かあったの?」
う、勘づかれたか。
話してもいいが、これは俺の問題だし。
「いあ、浮かない顔で笑いを取ろうと思って練習中」
「あはは、武夫君は面白いね」
と、流してしまった。
「じゃあ、僕はそろそろ行くね」
「あーい」
「最後に一言」
「ん?」
「自分の気持ちに正直になってもいいと思うよ。ではチャオ」
そう言ってエルベルトは去って行った。
なぜこの言葉?
そうか。エルベルトは分かってたんだな。
俺がカラ元気だってことを。
自分の気持ちに正直か。
「よし!」
俺はある決断をする。




