「4月15日」
「武夫、放課後バスケットしない?」
「ああ、ごめん俺修行があるから」
「ああ、だったな。特別の講師の修行は休みとかないの?」
「ないらしい」
「厳しいんだな」
「ってことでそれじゃ」
「じゃあな」
ほんと休みが欲しい。
皆とバスケットとかして遊びたいよお。
――――。
「今日はお前の魔力の測定を行う」
「魔力の測定? 何をすればいいんですか?」
「確かお前は火魔術が使えるんだったな」
「ええ、そうですけど」
「あの案山子に火球をぶつけてみろ」
あのー。確かに俺は火魔術使えるけど。
火球まで出すには我が家秘伝のごま油の力が必要なんだが。
「わかりました」
「おい、何をしている」
「何って手にごま油を垂らそうとしてるんですよ」
「理由を聞いてもいいか?」
「火魔術がうまく使えるようになるためです」
クレイン先生は不思議そうに手を顎に当てながら「ゴマ油を使って魔力が増強されるって聞いたことないな」と独り言を言いながら
「まあいいだろう。やってみなさい」
とゴマ油の使用を認めてくれた。
手に満遍なくごま油を垂らし
「ファイアーボール!」
と叫びながら手に力を集中する。
火球が出たよし! と言いたいところだが
「外れだ」
もう一回。
「外れだ」
もう一回。
「外れだ」
もう10回。
「全部外れだ」
なぜにいいいい
火球は出てる。でも当たらない。
「火力は出てるが、コントロールが出来てないな」
クレイン先生はそういった後。
「この距離、しかもこの大きい火球で外すのはある意味才能だ」
と褒めてるのか貶してるのか分からない言葉を呟いた。
「よし魔力測定終了」
魔力測定終了ってことは
「今日はもう帰っていいってこと「いあ」
え?
ほらテストの日の帰りが早いように魔力測定の帰りも早いと
「今日は火球のコントロールの訓練をする」
修行はまだまだ続くそうです。
――――夜の7時10分前。
「ぐっ! ぐうううううう」
「ほらもっと集中して、あの案山子に火球が当たるイメージを維持するんだ」
「先生もう限界です!」
「こんなことでへこたれてどうする」
きつい。
正直筋トレのほうが楽だ。
2時間も魔力を使い続けるとどれだけ消耗するか
今日初めて知った。
「分かった。今日はここまでにしよう」
やっと終わった。
疲れたあああああああああ。
――――寮。
疲れた。さっさっと自室に戻って風呂入って、上手い料理食って、歯磨いて、糞して寝よう。
「やあ、武夫君だったかな?」
すれ違い様に声をかけられた。
「そうですけど」
「4位の重力魔法使いエルベルト・サイマーだ。1位の君にぜひともお会いしたかった」
暫定1位の俺に?
「はあ」
「皆は暫定1位とか油人間って馬鹿にするけど、僕は君の戦い方に敬服するよ」
お、初めてそう言ってもらえたぞうれしい!
「特にごま油を使ったときの試合は見ものだね。あれだけの火魔術を使える人はなかなかいない。それにカオスとの闘い方での君の戦略は素晴らしい。見習いたいくらいだ。」
何かすげえ褒めちぎられてるな。
「この学校では定期的に試合とかも行っているらしいからいづれ君と闘える日が来るかもしれないことが楽しみだ」
ほお、そういうこともするのなマジリティは
「それではその機会まで、チャオ」
そういうとエルベルトは立ち去って行った。
いやあ、世の中にはこんな良心的な人がいるもんなんだね。
エルベルト・サイマー。いいお友達になれそうだ。




