「4月14日」
「俺は・・・戦争に駆り出されて死ぬのか・・・」
あれからというもの気持ちが全然晴れない。
学校の庭の人気がないベンチに座って、これから先のことを憂いる俺。
「あ、武夫さん!」
声のするほうを振り返るとどっかで見たことがある女の子がいる。
「お前は、もしかして」
「はい! この前武夫さんに助けて頂いた者です」
助けた?
どういうことだ?
「そんなことしたっけ?」
「覚えてないんですか? ナイフで襲い掛かった生徒に立ち向かって私を助けてくれたじゃないですかあ」
ああ、あれって恨まれてるんじゃなくて、脅しだったわけね
「ああ、あれね」
「あの私、アーリャって言います! よろしくお願いしますね!」
「ああ、よろしく」
「どうしたんですか? 元気がないですね」
勘づかれたか。
「いやあ、テストどうしようかなあと思ってさ」
「え? 特別講師付きの人はテスト免除じゃありませんでしたっけ?」
さらに勘づかれたか。
「いや、我が家秘伝のこのゴマ油がもうあと少ししか」
「入ってる量満タンですよ」
さらに勘づかれたか。
いあ、それ勘づかれたって言わなくね。
まあそういう話は置いといて。
「とにかく今日は怠いなあってことで」
「あ、武夫さんもしよろしければこれ」
これに反応してアーリャが差し出す手を見る。
「弁当なんですけど、良かったらどうぞ!」
おお、俺の大好物なポテトサラダまであるじゃねえか!
「ありがとう!」
――――アーリャ視点。
弁当で武夫さんのハートを掴むぞ!
「俺の大好きなポテトサラダだ。ありがとう!」
ポテトサラダを見た瞬間、さっきまでの落ち込み具合が嘘みたい。
これで武夫さんに少しお近づきになれたかな?
「ポテトサラダに我が家秘伝のごま油っと」
武夫さん拘るんですねえ。
「ブハッ、これ酢じゃん」
え?
「間違えちまった てへぺろ」
「ウフフ」
武夫さんって結構ユニークな人なのね。
余計好きになりそう。
―――。
今日はスクワット3000回。
こんな荒修行に何の意味があるというのですか神様仏様クレイン様。
やっとこさ寮、さて寝るぞ。
「ん?」
廊下で誰かが電話で話してる。
ってあれよく見ると。
カオスじゃん。
彼によく会うなあ俺、運がいいのか悪いのか。
「お父様すいませんでした! 卒業するときは主席なのでそれで何とか」
「よ、カオ「うがあげあgwげgwが」
俺の呼びかけにカオスが反応する。
「何意味不明なこと言ってんだ」
まあ背後から急に呼びかけた俺が悪いんだが
「お父様、ちょっと」
そういうとカオスは
「おい油人間! 今大事な会話中なんだ消え失せろ!! それと大会の時の借り返すから覚えとけよ!!」
酷い言われようだ。
――――。
寮の自室に辿りついた。
今日も災難だったなあ。クレイン先生は鬼畜だし。カオスは冷たいし、アーリャのポテトサラダには間違って酢をかけちゃうし。
明日もこんな感じで迎えるのか?
いやだなあ。




