「4月13日」
俺は今日もこの鬼畜学校に通う。
正直どの授業もちんぷんかんぷんで俺には分からん!
ちなみにこの学校の授業には座学と実技があって
生徒はそのどちらも自由に選択することができる。
座学は魔術に関しての勉強。
魔術の理論や使い方など。魔術に関しての様々な知識を蓄える授業だ。
実技は実際に魔術を使い、命中率はどれくらいか?
詠唱スピードはどれくらいかなど、
皆と競い合う授業になる
ちなみに俺は座学しか参加していない。
実技でもいいんだが多分酷い有様を見せられて皆に笑われるだろう。
まあ別に笑われてもいじられキャラとしての株が上がるからいいとは思うが。
「おいおい皆聞いたか? 5月1日テストだってよ!」
「しかも範囲がぱない」
どうやら5月にテストがあるらしい。
聞くところによると範囲は簡単な火魔術から難しい重力魔術まで
幅が広いそうだ。
俺は赤点確定だなこりゃ。
ってか午後は鍛錬でまともに勉強する時間がないんだが……。
「ああ、それならお前は免除だ」
クレインさんまじすか!?
ラッキー。
俺は免除みたいだ。
赤点で補修もないみたいだし。
「しかあし!!」
「はい?」
クレインが険しい顔で俺を見つめた。
「お前には強い魔術師になってもらう必要がある」
強い魔術師?
俺はそれになることに興味はない。
何か理由があるか聞いてみるか。
「なぜそうなる必要があるんですか?」
「この国の戦力になってもらう必要がある」
今? なんて言った?
戦力?
俺が?
まさかな……。
「冗談ですよね」
「残念ながら冗談ではない」
嘘だろ?
俺はただ家族のためにお金を稼ぎに来ただけで
この学校のイベントだって賞金だけ目当てで参加した。
賞金をもらったら家に帰って家族と楽しく過ごそうと思っていた。
それがなんだ?
戦力?
戦争でもするのか?
そんなところに俺は駆り出されるのか?
冗談じゃない。
この学校に入学するにしても卒業すればそれで終わりだと思っていた。
もう我慢できない
こんなところにいられるか!!
「俺、学校やめます! 退学します!!」
「ダメだ!!」
「なぜですか!?」
「お前はこの学校が何のための学校か知らないのか?」
特別魔法軍事学校マジリティ
この学校の名前だ。
確かに名前を見ればわかる。
けど!!
「俺は家族を裕福にさせるためにこのイベントに参加したんです」
「…………」
「家族と幸せになるためにこのイベントに参加したんです!」
「…………」
「戦争をするためなんかじゃない!!」
「…………」
「こんなの不本意だ!!」
「お前の言いたいことは分かった」
「クレインさん?」
分かってくれた?
ってことは
「それでもダメだ!!」
「クレイン……さん?」
「それなら最初からこんなイベントになんて参加する必要はなかったはずだ」
「…………」
「普通に働いて普通に稼げば良かったんだ」
「…………」
「お前はこのイベントに参加して優勝した以上。この義務を果たすべきだと私は思う」
「……でも」
「これ以上は不毛な議論だ。話す必要はない」
そんな……。
俺は……。俺は……。
今更気づいた。
確かにクレインさんが言ってることは正論だ。
よく調べもしないで、ただ賞金がもらえるから……。
それだけの理由で俺はこのイベントに参加した。
もう……手遅れだ。




