旅立ち
「それではママ、私は精霊の森へ戻り霊長様にママが現れた事を知らせに行きます。
森まではこの2人が付き添いますので安心してください。」
フレアとユピィは小さな手で私の腕にしがみつきながら『いっしょ、いっしょ』と言ってくる。
本当に可愛いなぁ。見てると胸がホコホコして幸せ気分。
「それじゃ、ハピィとはここで別行動になるのね。森まで気をつけてね。」
ハピィとは森まで会えないのね。この世界では精霊3人しか知り合いがいないから、1人でも欠けるとちょっと不安になっちゃうな。
「ハイ、ママ。
森まではビューンとひとっ飛びだから大丈夫です。
ママも気をつけてくださいね。
あなたたちもしっかりママを守ってね。」
「「ハイ、ハピィ」」
うん、いい返事だわ。
「じゃあママ、森で待ってます。」
そう言うとビューンと飛んで行った。
私たちは暫く飛んで行った方を見ていた。
「フレア、ユピィ行きましょうか。」
「「ハイ、ママ」」
うん、本当にいい返事。
この世界に落ちて2時間くらいしか経ってもいないのに、私はママと呼ばれて普通に返事してる。
フレアとユピィの笑顔を見ると、胸がホコホコしてくる。 これが母性なのかしら?
さあ先は長そうだわ。 助っ人も来てくれそうだし、それまで何とか生き延びなきゃ。
先ずは南下して街道に出るんだよね。
はぁー、見渡す限り草ばかり、今日中に街道まで着けるのかな?