表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/106

コンスタンスの独り言

俺はコンスタンス・オルセン。

ホリング村で猟師をしている。


いつもオリカジの森でホルヘ鳥を捕って生計を賄っている。

今日も猟に来て3羽も捕れてちょっと浮かれていたんだ。なんせこれで酒場に行けるからな。

実はナディアと食事でも出来ないかと、誘っているんだか、俺が年下なので本気にしてもらえないんだ。

食事に来てもらえたら後は酒を飲ませて…………げふんげふん、まぁその後は大人のお付き合いが出来れば嬉しいなと思っているんだ。


帰ろうと街道に出たところで小さい子が見えた。

1人でどうしたんだろう?と思っていたら、子どもの陰に隠れてグルガの姿も見える。


俺の家族を奪ったグルガ…子どもの姿が妹の姿と重なっていく。


俺たち家族はラーカの街に住んでいたが、母親の実家へ行く途中で襲われた。

怖かったがいろんな事を教えてくれた父さん。

いつも優しく抱き締めてくれた母さん。

生意気だけど可愛いかった妹。


いつもは単独で行動するはずのグルガが何故か集団で襲ってきた。


たまたま荷物を運んでいた商人の馬車が通りかかり助けてもらったが、父も母も妹も間に合わなかった。

俺は生死の境をさまよったが何とか戻って来ることができのた。

当時13才と子どもだったので、家族を奪った魔獣や運命…恨めるもの全てを恨んだ。

そんな俺を諭してくれたのが5才年上のナディアとナディアの母さんだった。


家族の事を思いながら、この子は助けたい、助けなければと思い弓を構えた。

子どもの陰に隠れて打てず逃げられたが、子どもに怪我を負わせる事なく助けだす事ができた。


近付いて顔を見ると12才くらいであろう可愛い顔立ちの女の子だった。


「お嬢ちゃん、お父さんとお母さんは何処にいるんだい?」と聞いたら、真っ黒い瞳に涙がこぼれそうになる。あわてていたら先に気持ちを立て直した女の子が「大丈夫」と言ってくれた………が、その顔の色っぽい事!

抱き締めて誰もいない所に連れて行ってしまいたくなる。

まずい、これじゃあ犯罪だよ…。


挙動不審となっている事がわかっていながら「そうか、そうか」と頷く事しか出来なかった。

くっ、不甲斐ない俺だぁ……。


女の子のお腹が鳴ったのをいいことに村へ連れて行く事ができた。

決して変な意味はないぞ。

街道に子ども1人置いておくことが出来なかったんだ。


名前を聞いたら『ケイ』と名乗った。可愛い名前だな。ケイも俺の名前を聞いてくれたのだが……『おじさん』と呼び掛けられた。

おじさん…くっ、ショックだ。

考えるより先に『おにいさんと呼んでほしい』と、口から言葉が出ていた。


俺ってそんなに老けて見えるのか?


こほん…まぁいい。

村へ帰ったら大騒ぎになるだろうな。

こんなに可愛い子を連れて行くんだからな。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ