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その後の幸せ

ジョーは次の日には国に帰りました。


「そろそろ家族が心配だから帰るよ。

それに弟たちの魔法の勉強もさせなきゃいけないしね。」


それからちょっと悪い顔をしながら


「それに、この男が嫌になったら何時でも頼るんだよ。何を置いても直ぐに駆けつけるからね。」


バイロンさんが慌てて私を後ろから抱き締めながら


「うるさい、俺が大切にするから心配すんな。」


とジョーに言い返しています。

そうですか、私はバイロンさんに大切にされるんですね。


「それじゃそろそろ行くよ。」


「ああ、気を付けて。

定時連絡忘れるなよ。」


「それは私の言葉だよ。」


二人で握手しながら笑ってる。

男同士の友情だよね、ちょっぴり羨ましいな。


でもバイロンさん、そろそろ私の腰から手を離してもらえませんでしょうかね……。


離れようとバイロンさんを押しやってもびくともしない……、それどころか余計ギュッと抱き締めてくる……。

離れようと悶えていると、


「ケイ、静かにしなさい。」


と起こられた……。

一応静かにしたけど……理不尽!

後で仕返ししてやる!


ジョーが行ってからバイロンさんに仕返ししようとしたけど、返り討ちにあったのは別の話……ちくしょう、いつかギャフンと言わせてやる!


おっとっと……それよりもジョーに挨拶を!


「気を付けてね、また会えるのを楽しみにしてるからね……、お兄さん。」


なんだかバイロンさんの視線が痛いけど、無視無視!


「ああ、また会いにくるからね。

体には気を付けるんだよ。

それじゃ……。」


私の頬に挨拶のキスをして行ってしまいました。

いつの間にか私は泣いていたようです。

バイロンさんが優しく拭ってくれます。


バイロンさんが私を触る手はいつも優しい。

バイロンさんの側にいれば、何も心配はない。


お兄さん、私幸せになりますね。




**********




ジョーが帰国してから4ヶ月たちました。

ジョーは「最近はアンドルーに扱き使われて最近庭仕事も出来ないよ。」と笑いながら言っていた。


バイロンは相変わらず私を溺愛してくれています。

ジョーが帰国したその日から、私を離す事なく常に手の届く所に置いておきたいみたいです。

疲れるけど、最近は諦めています。


私は、現在絶賛トイレの住人になっています……。

昼も夜も私を離してくれなかったバイロン……、その先にあるのは妊娠です……。


そうです、私妊娠しました!


バイロンは勿論の事、ハミルトンさん、クリスティンさん夫妻は自分の事のように喜んでくれました。


精霊に至っては毎日私のお腹を見に来て、「おめでとう!」と言ってくれます。

女神様は産まれる前から加護をくれました。

……みんな浮かれているけど、私は悪阻で苦しいです。

まぁ、悪阻は子供が元気に育っている証拠だと聞いたことがあります。

元気に育ってくれているなら頑張るけど……うっ……ぷ……。


………………悪阻にも終わりはあるはず……うっ……。




**********




はぁーーー。 


あの悪阻を乗り越え、バイロンの過保護にも耐え、先日可愛い子供を産みました!


大変でしたよ。

何がって……バイロンが……。


陣痛が来てクリスティンさんが仕切ってくれたけど、バイロンが私から離れない!

誰が何を言っても離れない!

何かあったら俺が直ぐに光魔法を掛けるから!って……、こっちは「ひっひっふぅーっ」って頑張っている横でうるさい。

思わず「邪魔!」って怒ったけど……仕方ないよね。


出産は苦しかったけど、それだけの価値はあった!

産まれたのはバイロンに似た男の子。

沢山の精霊が祝福に来てくれて嬉しかった。


女神様はお腹にいたときに無条件に精霊から好かれるという加護をくれていた。

産まれてから魔力倍増の加護をくれた……。


何!?その加護は!


本当に女神様は何でもありだな……。


その後は精霊の誰が子供の側に付くかで大騒ぎ!

収拾がつかなくなった所でバイロンが


「俺はダモンに側にいて欲しい。

でも、子供はもっと欲しいな。

だから次に産まれる子に付く精霊はみんなで決めておいてくれ。」


この一言でまたまた大騒ぎ……。


産まれる前から子供は三人は欲しいと二人で話していたけど……今はまだいいかな?


子供にはスティーヴィーと名付けた。

スティーヴィーはバイロンのお父さんの名前。


バイロンのお父さんは文字通り大きな人だったそうで、お父さんのように強く優しく育って欲しい……と願いを込めて付けました。



この世界に来て、初めは不安で、不安で……。

でも直ぐにバイロンが来てくれて、そのあとジョーも来てくれた。


誘拐されたり、襲われたり……半年も寝たっきりになったり……。

色々あったけど、いつも優しい人に囲まれて私は幸運だった。


そして私は母になりました。

ちょっとウザいけど優しい旦那様と可愛い子供、この地に降りたってからずっーと側にいてくれるフレアとユピィ。


母を亡くし無自覚に自暴自棄だった私はこの地に来て救われた。


フレアとユピィに「ママ」と呼ばれ、私を慕って側にいてくれた……、その時、私は孤独から救われたんだと思う。


フレアとユピィに「ママ」と呼ばれたあの時に、私は幸せへの道が繋がったんだと思う。


ママと呼ばれて、私は幸せになった。




やっとここまで来ました!

読んでくださった皆さん、本当にありがとうございますm(__)m




ジョーですが、奥さんが番外編でちょっぴり出てきました。

スティーブとベアトリックスのカップルもそのうち話を書けたら良いなと思っています。


夢は広がります



本当にここまで読んでくれてありがとうございました。

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