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戦闘のお時間です

「そうですねぇ、主にヒーロー・ヒロインには3つの型があります。そして、それぞれに3つの力があります。」

 おおっ、なんか「っぽい」ぞ。


「型は、攻撃・防御・補助の三つです。」

「攻撃と防御はわかるけど……補助?」

「補助はレアな型です。瞬間移動とか、回復とか、私がやったみたいに服を出現させたり……いろいろです。まぁ、使いこなせないと「身体能力が高まる」って効果しかないし、「当たりであり、はずれである」みたいな。」

 「みたいな」って……。まぁ、戦い向きって感じしないし、そんなもんなのか?


「ちなみに俺は?」

「防御です。まぁ、戦えないわけではないですから。何がいいかというのは特にないかと。」

「そうか。」

 ま、最低限自分を守れる力があればいいか。


「大雑把に言うと3つのそれぞれの力は同じ説明ができます。中身が違いますけど」

「どういうことだ?」

「ラーメン、ハンバーグ、カレーを「美味しいもの」と分類するようなものです」

「……ああ、そう」

 ごめん、お前馬鹿だ。


「3つの力は、型能力・属性能力・貸出能力の3つです。」

 うわー、わかんなーい(適当)。


「型能力というのは、攻撃型なら攻撃を、防御型なら防御の能力を発揮します。補助は、先ほども言ったような能力を発揮します。」

 まぁ、それは何となく……わかる。


「属性能力とは、型能力から「型らしさ」を取ったものです。」

「まず属性がなんなんだ?」

「火とか水とか、いろいろです。私が知ってる珍しい属性は(はさみ)でした」

 鋏って……。

「具体例を出すと。属性が火の攻撃型は、型能力で火炎放射、属性能力でライター程度の火の玉を作り煙草に火をつけます。」

 んー、正直よくわかんないけど、パスだな。


「で、貸し出しは?」

「えっ? ……あっ、貸し出しはですね。私たち補佐役の能力を一つ貸し出しして、使えるようにすることです。」

 電波は「もういいんですか?」みたいな顔をして貸出能力の説明を済ませた。


「……なぁ、全部の型を揃えちゃダメなの?」

 そのほうがバランスがいいよな。両方防御型だったらどうするんだ? 守り専門じゃん。


「どの型に目覚めるかは私たちにもわかりませんし、そもそも適性があります。もっというと、たくさんのヒーロー・ヒロインが近くにいすぎるとなんかこう、やばいです」

 説明ふわっふわ。


「ともかく。そんなわけであなたには……っ、危ない!!」

「うぉぉっ!?」

 説明の途中、電波に手を引かれる形で校庭に飛ぶ俺。華麗に着地できたのは、運がよかったからだ。電波マジ許さん。って、状況ででもないか。


「囲まれちゃいましたね。」

「みたいだな。」

 電波の緊張感のある声に合わせて、俺も重い口調でいってみる。先ほどのギャル集団(6人)が、おれたちを囲む形で校庭に立っている。


「お前、ヒロインだろ?」

「見つけ次第殺すように命じられている。」

 一層派手な見た目をしたリーダー格っぽい男女が一歩前に出て、冷たい口調で言う。おい、ギャップ。


「防御型ってさ、どうやって戦うの?」

「それを今から教えようかと……」

 それする前に悪魔の気配を察知したからってここまで来たんだよな? おかしいよ、君。


「で、どうすんの?」

「あなたの“属性”が何かはわかりませんが、基本はイメージです。私たち二人を囲うように「守る何か」を想像してください」

 難し……って、言ってる場合でもないのか。


「下級偵察悪魔の攻撃は、魔力の球を打ち出す単純なものです。威力もそこそこ、軌道はまっすぐ。」

「なるほどね」

 なるほどね、なんていったけど、全然わからない。まず、俺の属性ってなんだよ。説明しとけよ。ええっと、俺たち二人を囲う……? できることなら、攻撃を跳ね返したいわけだから……。


「しねぇぇえ!!」

 はやっ! こうなったらもう、やけくそじゃんかよ。


「そんなセリフ初めて聞いたつーの!!」

 イッメージィィィ!!!!!


瞬間、俺と電波を囲うように風が吹く。それも、尋常でない勢いの風だ。同時に気温が一気に熱くなり、悪魔たちの放った攻撃を打ち消す。風の勢いと熱気は一層増し、目も開けられないくらいに強まる。


 「熱い!!」心の中でそう開けぶのと同じタイミングで、俺たちを囲む熱風の渦は、爆発した。


 一瞬、何が起こったかわからなかったが、俺たちの周りに倒れる半裸の焦げたギャルたちを見て、勝利(?)を確信した。少なくとも、助かった。


「男は見れたもんじゃないが、女はエロい。うん、えろい。」

「声に出てますよ。……あっ」

 ? 俺、勝ったんだよな? なんで、口を閉じてこっち見ないの、この子。なんか、聞いちゃまずいのかな。

 

「しかし、暑いな。属性は炎か?」

 電波の様子から察して、話題を変える。敵を倒して、気遣いもできる。カッコいいな。俺、カッコいいよ。


「いえ、しっかりと風が吹いていたので、属性は風……と、熱? 合わせて多分、熱風かと思われます。」 

 電波が、どこから出したのか伊達メガネをかけて、インテリ風にしゃべる。さっきまでの態度なんだったんだよ。。


「うっせ」

 むかつくので、目つぶし。


「ぎゃぁぁっ!!」

 レンズ入ってねえのかよ。感触がキモい。


「ほ、炎は確認できませんでしたし、熱風ですよ。炎属性なんてレアなもの、そうそう引き当てれるわけないです。熱風もレアですけど。」

 目を抑えて、電波は早口で言う。


「まぁ、いいや。何でも。そろそろ30分くらい経つし、あと30分して元に戻ったら風呂に入って、二度寝だ」

 本当は女の身体で銭湯にでも行きたいけどな、こんな服装じゃ無理だろう。なぜかボロボロだ。すごい、セクシー。って、電波のテンションがやっぱり、やけに低い。


「……」

「……どうした、電波? 帰る家がないなら、泊めるぞ。」

「いえ、お宅には泊まる予定でしたが、そうではなくてですね。」

 泊まる予定だったのかよ。そうではないって、じゃあ、一体?


「変身させる際に、焦っていたものでして。魔力の分量を……」

 ……オーケィ、落ちは見えた。今日1日この姿ってか? まぁ、悪くない。一度でいいから、女の全裸は見たかったんだ。……本当だぜ?


「実は……」

「そんな深刻そうな顔をするなよ。俺は別に今日1日この姿でも気にしないよ」

「……え、その……。1日でなくてですね。」

「1日じゃなない!? ずあっじゃあ、じゃあ何日!?」

 噛んだ。いやしかし、不思議だ、冷や汗が止まんない。電波がこっちを見ない。こっち見ろ。


「い……」

 電波のやわらかそうな唇が、ゆっくり動く。


「1週間!?」

 俺の言葉に、ふるふると電波は首を横に振る。


「1か月……?」

 恐る恐る聞く。また、電波が首を横に振る。電波が口を開く。ねぇ、お願いですから、「冗談でした」って、言って、お願い。


「い……、1年です!!」

「えええええぇぇぇぇぇぇ!?!?!?!?!?!?」

ラストに向かってる(はず)

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