制服のお時間です
時間は20分ほど経ち・・・
「お、落ち着いてきた」
「大丈夫ですか?」
あのあと俺は気絶したのか? よく思い出せない……。
「俺はどれくらい寝てた?」
「20分ほどですね、あと10分もすれば元に戻れますよ」
「そうか……って、なんだこの服?」
身体を見下ろすと、身に着けていた服がセーラー服になってることに気が付いた。ちなみに電波も、セーラー服を着ている。胸の大きさに差がありすgる清夏、一瞬違う服に見えたが、間違いない、セーラー服だ。
「あぁ、暇だったので着せ替えました。自力変身解除ができないうちは、こういうカモフラージュも必要ですからね。ちなみに、これが魔術です。」
「これが魔術です。」って……、「魔術」なんてワード初めて出てきたぞ。しかし、なんともかまってちゃんなやつだ。
「お前もきたのか?」
俺があきれ口調でいうと、電波はあからさまに照れながら、頭をかく。
「いや~、正直に会うかどうかわからなかったんですけどね。なんていうか、なんとなく着ちゃったんですよ~。あ、似合います? 似合っちゃってます?」
し、白々しい……、さっきまで自分の服を指さして、「見てみて」って顔をしてたくせに。
「まぁ、正直言うとさっきのほうがあってたかもな」
「どぅえ~」
「どんな返事だよ」
飽きれながら言う。電波は、容姿としては高校生の女の子、といった感じだ。背は少々高い、いや、俺が低くなっただけか? そして、巨乳だ。こんなに胸が大きい人はそうはいないだろう。しかし、一番目を引くのはそこではない。電波の髪は長さこそ普通のショートカットであるが、白髪なのだ。これは目立つ。
「目立ちますかね」
「かなりな、魔術とやらで黒色にはできないのか?」
「ん~、赤と青と黄色と……あとは、迷彩カラーにならできますが、黒はないですね」
「無駄にバリエーション多いな」
「迷彩なら黒も少し混じってますが」
「緑メインだろうが」
まぁ、こいつがどんな髪の色だろうと関係ない。黒にしたけりゃ、染めればいいのだ。染める必要もないだろうがな。
「うーん、私もこの学校に通うことになるし、悪目立ちは避けたいんですよね」
「え!? お前、子の学校に入学するの?」
「もちろんです、あなたの補佐役ですから。」
そういって胸を張る電波。大きい、大きい。
「しかし」
っと、低い声。元に戻ったか。
「ようやく戻ったか、でも、変身したときに自覚がないのは厄介だな。」
「ですねぇ、突然女になったら大変です」
「突然変身することなんてあるのか?」
「魔力の操作が拙い素人には多いようです。魔術は発動する方が、解除するよりはるかに簡単ですから。まぁ、そもそも。ヒロインのほうに男性が選ばれたのは、第400期北海道担当の方以来ですけど」
「はっ、そういや普通に受け入れてたけどなんで俺女になるんだよ! ヒーローにしろよ」
そして、俺の服装を元に戻せ。
「そ、それは大人の都合で」
「お前子供だろっ! つか、この服元に戻せ」
「ぐぬぬ……はぁっ!!」
返答に困ったのか、電波の拳が俺の腹にクリーンヒットする。
「言ったでしょ、魔術は発動するほうが、解除するよりはるかに簡単だと!」
「つまりは戻せないと、そういうわけか」
拳を鳴らしながら質問する
「時間がたつか……魔術の上塗りをすれば」
そこまで言って、電波は言葉を止めた。表情が真剣になる。
「悪魔のお出ましです。 行きますよ、Mr.ヒロイン」
「展開急すぎだろ! 戦闘の訓練とか……っつか、なんだそのMrナントカは」
「コードネームです! さぁっ! へーんしん!!」
電波の声は高らかに響き、俺は美少女に変身した。はぁ、「まだ夢を見てました。」みたいな落ちになってくれないかな。……むりか、むりだよなぁ。
「……はぁ、しかたねぇな。」
「もう一度言いますよ、言っちゃいますよ。さぁ、行っきますよ! Mr.ヒロイン、戦闘のお時間です!!」
「はいよ」
テンションの差が激しいなんてのは重々承知だ、でも、ここが妥協点ってもんだろ?
意外と気持ちが乗ってきました。
でも、グダらないために、端折りまくりますよ