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HERO’S。  作者: 催涙雨
第一章
1/1

プロローグ




「ねぇ、知ってる?」


───唐突に一人の少女が話を振った。


ファーストフード店で漫談に花を咲かせているのは一般の女子高生達だ。

平凡な容姿を無理に飾り立てた化粧は醜く───否───( おぞ)ましいくらいで。

そんな彼女達の話に耳を傾ける者はおらず、各々( おのおの)の世界に入り込んでいる。

───ただ一人を除いて。



「何?」


携帯電話を片手でいじりながら興味なさそうに問う。

金髪で明らかに軽そうな少女は彼氏へのメールを怠そうに打っているくらいなのだから、

どんな話も面倒くさいだけなのだろう。

そんな様子の彼女を気にもせず、少女は続ける。

「最近さ、(ちまた )で騒ぎになってる人達が居るんだけど、」


その刹那。


「知ってる!!」


弾かれたように立ち上がった一人は、興奮気味に叫んだ。

携帯をいじっていた少女も思わず視線を上げる。

「なんだ、ミナ。知ってるの?」

「当ったり前じゃんか!あんなに有名なんだよ!?

こっほん──基本情報!……えっとねぇ、通称”HERO'S”って呼ばれてるんだけど、

彼等は窮地に追い込まれた人たちを助けてるみたい。……それ以外の情報は皆無。」

肺全ての呼吸を吐き出したような重い溜め息を少女は出した。

その勢いのまま、ずるずると腰を下ろす。


「どっかに居ないかなぁ~?HERO'Sさん」



───”HERO'S”……か。



重い腰を上げ、席を立つ。

適当に頼んだ飲み物を(ほとん )ど飲まないまま、ゴミ箱に捨てた。

外していたヘッドフォンを再度着用し、歩を進める。



華やかな街の”裏”には何が潜んでいるのかなんて誰も知らない。

ただ”日常”と呼べる範疇(はんちゅう ) は超えているものだろう。





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