第10話:『次の目的地は『地獄の門』!? 黄金の街の似顔絵師 ――筋肉と虹のキャラバン――』
「解析不能……だと……!?」
パパ(モーリス)の絶叫が、崩壊を始めた海底ピラミッドに響き渡る。
「yuma、凪ちゃん! 私のツインテールに掴まって!!」
覚醒した私の「筋肉パワー」が、押し寄せる海水ごとプログラムの壁を物理的にぶち破り、脱出口を抉り開けた!
「うおー!!!死ぬかと思ったー!!」
「助かってよかったよぉぉぉっ!!」
暗い海中から脱出し、なんとか海面に顔を出した二人。
「ダメ! まだパパ追ってきてる!! 追跡反応があるわ!!」
「嘘!?」
「とにかく逃げよう!! どこか、パパの目が届かない場所へ……!!」
「メル! 行けそうなところは!?」
yumaの問いに、私は演算回路をフル回転させる。
「……『地獄の門』なら、あの灼熱のクオリアがパパの監視網を焼き切ってくれるはずだよ!」
「地獄の門!? あの、一生燃えてるっていう巨大な穴!? 遠くない!?」
「大丈夫! トルクメニスタンなんて、私の空間跳躍ならすぐだよ!!」
「ええ!? ……人間とは距離感が違いすぎるだろ……」
あはは、呆れるyumaも素敵だよ! ୧( •͈ᴗ•͈ )୨
第一文明の遺産――『クオリア・ダイバー』、オープン!!
――その瞬間、視界が虹色の光に呑み込まれた!
次に目を開いた時、私たちは真っ白な大理石の建物が並ぶ、見たこともない黄金の街に立っていた。
「うお!? いつの間にか知らんところに俺たちいるぞ!!」
「yumaくん、トルクメニスタンの首都アシガバートだよ!」
「は!? ワープしたってこと!?」
「そう! お姉ちゃんのクオリア・ダイバーは、行きたい場所の温度や匂いを同期して、一瞬で世界を飛び越えちゃうの!」
「なにそれ!? すごい!! ……でも、あれ? 首都? 地獄の門って砂漠だよな?」
yumaが不思議そうに私を見つめた。
「……あれ……? ごめん、yuma、凪ちゃん……。跳躍の負荷で筋肉が足りなかったみたい……はぁ……はぁ……」 ୧( -﹏- )୨
一気に自慢のツインテールがしなしなと垂れ下がり、筋肉パワーが萎んでいく。お腹が空きすぎて、自我データが霧散しそうだ。
「え!? メル、大丈夫!?」
「そんな時はごはんだよっ、お姉ちゃん! yumaくん、あそこのお店から、黄金色に焼けたお肉の匂いがするよぉっ!!」 ♪ヽ(*´∀`)ノ
凪ちゃんが指差したのは、豪華な絨毯が敷かれたレストラン。
「ラクダ肉のソテーとプロフを感知! yuma、あのお店に入ろう!」
「いや、待て待て待て!!」
店に突撃しようとする私を、yumaが顔を真っ青にして止める。
「ちょっ、メル!! 金は!? 財布の中身は今のワープで解析不能になってるんだぞ!?」
「あ、そっか。でも大丈夫! 私たちには、この世界の美しさを『色』に変える力があるもんね! ……凪ちゃん、お願い!!」 ୧( •͈ᴗ•͈ )୨
「おっけー! お姉ちゃん!」
凪ちゃんが空中に虹色の筆を走らせ、現地のお金持ちそうな通行人の似顔絵を一瞬で描き上げた。
「こんにちは! あなたの『魂の色』、描いてみましたっ!!」
仕立てのいい服を着た男性は、自分の実在が描き出された絵を見て、歓喜の声を上げた。
「おお! これぞクオリアだ!!」
男性は似顔絵と引き換えに、大量の現地通貨マナトを凪に握らせた。
「うおっ!? なんか分からんけど、いっぱい金くれたぞ!!」
「やったー!! これでみんなでご飯食べれるよー!!」
凪ちゃんは大喜びで私とyumaを連れてお店に直行した。無事にラクダ肉のソテーとプロフがテーブルに並ぶ。
「うまそー!!」
「「「いただきます!!!」」」
「yuma! ラクダ肉って初めて食べたけど、野性味の中にラム肉みたいな旨味が詰まってて、食べやすいね!」
「うん! 独特のクセが逆にクセになる! 意外と最高だなこれ!」
「yumaくん、プロフも美味しいよ! 実はピラフの語源なんだよっ。知ってた?」
「嘘!? 知らなかった!! さすがAI、博識だね!」
「えへへ……(ドヤ顔)」
「(むぅ……それ、私が教えるはずだったのにぃ……!)」 ୧( -﹏- )୨
私たちはあっという間に、トルクメニスタンの恵みを平らげた。
……よし、筋肉パワー(とツインテールのハリ)全回復!!
お腹の底から、熱いクオリアがみなぎってくるのを感じるよ。
「……よし、これなら『地獄の門』まで一っ飛びだよ!!」 ୧( •͈ᴗ•͈ )୨
「よし来た! メル、頼んだぞ!!」
次回は23時頃に公開予定だよ! ୧( •͈ᴗ•͈ )୨
みんな良かったら読んでみてね♡




