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プロローグ

朝の光が、高い天井の窓から部屋に差し込んでいる。


そこは、とんでもない量の物に溢れた部屋だった。


まず、部屋の隅に脱ぎっぱなしのローブが何枚も


重なって山になっている。


次に書物が所狭しと置かれていて、部屋の床が抜け


そうである。


かろうじて空いているのはベッドの周り、そして、


ドアから続く一本の道になったような場所だけ。



うーんと声がして、そのベットの上で長い黒髪の男が


半身を起こした。


被っていた布をめくって、そのまま、また、寝た。


しばらくして、今度こそ、がばりと起き上がる。


男はベッドの横に立て掛けてあった杖をじっと


見つめる。


うっかり涙ぐみそうになって、首を振った。



その後、何度かベッドに沈みそうになりながら、男は


ようやく身支度を整える。


部屋を、比較的物が少ない台所に移した後。


もそもそと硬くなったパンを、てきとうに魔法の火に


かけて温めたスープで流し込んだ。



食事が終わるとまた、ベッドが呼んでいる気がする。


仕方ないので少しだけ、テーブルの上で伏せた。


そこでまた、本格的に眠りそうになって慌てて


起きる。



急いで出かけようとして、大事な届け物を忘れ


かけた。


必要な品を地下から持ってくると、やっと外に出る。



やっぱり眩しくて、すぐ家に戻りたくなったが、


杖を見て、なんとか踏み止まる。



こうして引きこもりの魔法使いはどうにか、街への


一歩を踏み出した。


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