これはセキュリティレベルA+の研究資料である。
これはセキュリティレベルA+の研究資料である。
といっても単なる下っ端研究員の走り書きだ。
昨今の過酷な環境の変化、それによる国際関係の悪化により、さまざまな天然、人工問わずウィルスが発生している。
天然のウイルスはただ増えることを目的として、基本的に人を殺すまでは至らないいい子が多い。
人工は特定の遺伝子を持つものを殺す、もしくは殺さないなどから、特定の食べ物を食べ続けていればかからないなどの色々な支配を想定して作られたものばかりで明らかに人の手がかかっていることがわかる。
ウィルスの中でも一番筆者の私が恐ろしいと思う子を紹介しよう。
偽脳形成ウィルス。
長いので巷の通称、前世とでも書かせてもらう。
罹患者が一人でもいれば、感染の有無関係なく何億人にも影響を与えることができるウィルスだ。
発症条件は保持者が生命的危機に陥ること。
低血糖、脈拍、強いストレス、脳の損傷など、さまざまな生命危機で発症する。
よくあることが災害で死にかけたことで発症、被虐待者が発症することが多い。
そうすることで生命の危機から抜け出すのだ。
多くは、その時に発生した偽脳に従いその危機を乗り越える。
しかし、前世は何ヶ月か過ぎれば基本的に消えてしまう。
そして忘れてしまうのだ。
それが本来あるべき前世ウィルスの姿だった。
胎盤と同じような存在だったんだろう。
胎盤は元はウィルスが元でできた病変だ。
それが我ら魔哺乳動物の誕生のきっかけになり、我々魔人類の文明を築くことができた。
前世もそれが一役買って、古き知識が新しい知識や道を開くきっかけとなっていたんだろうと考察する。
過去の英雄譚やらの文献を見るに。
それがあのバカな国が壊した。
永久的に前世を消えないようにして、挙句本体を乗っ取るような性質を加えた。
このことにより、どんなことができるのか想像してほしい。
ある宗教の狂信者を、増やすこともできる。
赤ん坊の暗殺者だって下手をすれば作れる。
さらには、憎しみの連鎖が風化されない。
世代によって薄れない。
どうしてこうなったんだ。
私はただ消えていく私だけの家族を体の外で生かしたくて。
あの国での研究資料は全部燃やしたはずなのに。
こんな使いかたされるのは不愉快だ。
もし、この文献を読んだ人が非感染者なら嬉しい。
あのウィルスは、感染性が低いから、きっと滅んでくれることを願う。




