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Stars and Stripes: 僕らの内戦留学  作者: 電脳太郎
11/18

お前、トウモロコシで動くのかよ

西部荒野のど真ん中。

三人は小さな町に立ち寄った。名を**「ポプコーン自治区」**。


ポプコーン――すなわちトウモロコシでできた自治体である。


「まず名前からヤバいのよ」


由紀が顔をしかめながら言う。背中には密造酒入りのリュックが揺れていた。


「ここ、全部トウモロコシでできてるな……」

雷蔵が町を見回す。


街灯もトウモロコシ、電柱もトウモロコシ。

モーテルの看板に至ってはこう書かれていた。


“WELCOME TO POPCORN AUTONOMY ZONE - SWEET OR SALTY?”



「この町……空気がバター臭い……」

千代が鼻をひくつかせた。


三人は食料と情報の補給を兼ねて、唯一のレストラン「Kernel House」に入る。


中はすでに異様だった。


「お客様、お口はキャラメル派?それとも塩バター派?」

店員が真顔で訊いてくる。


「うちは…バーボン派なんだけど……」

由紀が顔をひきつらせながら密造瓶を出そうとするのを、千代が押さえる。


「ここではそれ、死刑だよ」


「えっ」



食事はトウモロコシ一色だった。

コーンブレッド、コーンスープ、コーンヌードル、コーンタルタル、トウモロコシの漬物。

デザートにコーンプリンにコーン飴がけ。


「おまえら、アメリカ壊れても、こういう方向に突き抜けるのやめろよ……」

雷蔵が涙目で呟いた。


由紀はコーン酒らしきものに興味を示したが、味は「ガムシロップ+生米+絶望」だった。



そのとき、外で大きな音が鳴った。


ドゴォォン!!


「……爆発音?」


「いや違う。ポップ音だ」


外に出ると、町の中央広場で何かが膨らんでいた。


「え……でっかいトウモロコシ?」


いや、違う。これは――


コーン・メカだった。



「緊急放送!ポプコーン自治区防衛隊からの発表です!」

「トウモロコシ密輸の疑いにより、外来者は全員処刑されます!」


「なんで!?お酒だよ!?とうもろこしじゃないよ!?」

「それが問題だって言ってんだよ由紀ィ!」


巨大なコーン型ウォーカーが轟音をあげて歩き始めた。


「こいつ……蒸気で動いてる!?いや違う……」

千代がスキャナーで分析する。


「動力源、ポップコーン」


「お前、トウモロコシで動いてんのかよ!!」



雷蔵が叫んだ。


「よし、やるしかない。迎撃準備ッ!!」


「どうすんのよ!あんなヤバいやつ相手に!」


「俺たちには、これがある!!」

彼が取り出したのは――


“NRA倉庫で拾った謎兵器・トウモロコシスナイパー”


「使い方は……不明!」


「なんで持ってきた!!」



雷蔵はスナイパーライフルを構え、引き金を引いた。


――ポン!


撃ち出されたのは、ホカホカのバター付きコーン。


「……は?」


メカは一瞬立ち止まり……手を伸ばしてコーンを食べた。


「ちょっと待って、理性あるの!?」


そして、満足げに座った。


「……あれ、倒しちゃった?」


「まさかの……満腹オチ……」



町長が駆け寄ってきた。


「ありがとう、旅人たちよ!奴は空腹になると暴走する“コーン・エレメンタル”だったのだ!」


「それ言えよ!!!!」


「お礼にこれを持っていってくれ。我が町が誇る究極の兵器――」


“トウモロコシでできたUSB”


「使えねえ!!!!」



こうして三人はポプコーン自治区を後にした。


「次は……もうちょっとまともな町に行こうな……」


「アメリカ、マジで終わってんな……」


「でもさ……ちょっとだけ、楽しかったよ」


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