溺愛ドラマティック! ~スカート内側のハーフパンツが好きな人、限定~
登場する女子の三つ編みは一本か二本、それ以外、など細かいことは明言していないので、お好みでご想像下さい。
男子高校生のあなたは、帰りの路線バスに乗った。車内は空いている。車内左側の一人席に座った。
バス停を出発して少し経った後、あなたが何気なく横を見て驚いた。
同じ高校前のバス停で乗った女子生徒が、股を少し開いた状態で、大胆に紺色のスカートをたくし上げている。
ただ、スカートの中は下着丸出しではなく、スカートと同じ色のハーフパンツを着用していた。
ハーフパンツに覆われていない部分の白い太ももも、目立つ。
あなたとは反対のほうは、電車のような横向きの、複数名が乗れる長い席になっていた。この女子以外は座っておらず、彼女は横に鞄を置いて、スカートの中を確認しているようだった。
下を向く彼女は小柄で、黒髪を三つ編みにしている……と、眺めていたら、気まずいことが起こる。
スカートを適当に戻した後の彼女と、あなたは目が合ってしまった。
しかし、彼女のほうは特に気にするような素振りは見られない。
あなたはずっと気まずい気分でいた。
□
翌日の朝、偶然にも同じ女子を見た。
高校前のバス停に降りて、信号待ちをする際、混雑していた同じバスに乗っていたのか、彼女が隣に並んでいた。右を見たあなたは、思いきり動揺してしまう。
「……どうかしたの?」
女子に話しかけられて、あなたはより不安になる。
下手にごまかすと余計にこじれそうだと思い、あなたは昨日、バスの車内でスカートの中を見てしまったことを話す。
「別にいいよ。下にハーフパンツはいてるし」
彼女は膝丈スカートの裾を持ち上げて、紺色ハーフパンツを少し見せた。周囲には他の生徒がいるのに、気にするふうでもない。
彼女がスカートから手を放した後も、信号が青になって渡る最中も、あなたは彼女の見せてくれたハーフパンツのことが頭から離れなかった。
あなたは気づいてしまう。
気軽にスカートの中のハーフパンツを見せてくれる彼女に、あなたは夢中だった。
この機を逃したら、一生後悔するかもしれない。
そう直観したあなたは、校門を過ぎた後、彼女を引き留めた。
「いきなり何?」
女子に対し、あなたは君のことが好きだから彼女になってほしいと告げる。
彼女のほうは、特に表情を変えなかった。
「……私が思うに、スカートの中を見られて嬉しい程度の気持ちで、告白してるよね?」
見透かされている。
「私、そんな人嫌だから拒否するよ。ごめんなさい」
相手に迷われることなく、簡単にフラれてしまった。あなたは厳しい現実に直面して、どうすればいいのか分からないでいた。
そんなあなたのことを気遣ったのか、彼女は、
「見たいだけなら、別に彼女にならなくてもいいでしょ。いつもハーフパンツはいてるから、見たいって言ってくれたら、見せてあげるよ」
最高の朗報を告げてくれた。
それから話をしていく中で、彼女が今年の春からの新入生、つまり二年生のあなたにとっては後輩だと判明した。
「あっ、先輩だったんですか。失礼しました、先輩。ずっと同級生かなって思っていました」
敬語に変化する。その辺の一般常識はあるらしい。
こっちも言ってなかったから、間違えてもしょうがないと、あなたは返す。それと、この子を去年一度もバスの中で見かなかったことに、納得がいった。
こうしてあなたには、仲の良い後輩が出来た。
通学バスの中で会ったらあいさつするようになり、時には校内で一緒にお昼を食べることもあった。
彼女の申し出通り、ハーフパンツを見せてもらえることもあった。
彼女へと親切に接したあなたに対し、彼女はだんだんと打ち解けてくれるようになった。
さらには休日、二人でショッピングモールへと行く約束も出来た。
あなたは彼女の快諾に心が躍った。
□
当日、ショッピングモール入口前にて。
いつも通りに黒髪を三つ編みにした彼女は、不満そうな顔をあなたに向けている。
「先輩。これ、デートですよね?」
ブラウンのロングスカート姿の彼女は聞いてきた。
ただの買い物だとあなたは返した。
「もう……っ。あの時、先輩が告白してくれた日は、私が全面的に悪かったと認めます。拒否したのは私の失敗でした。だから今度は私から言います。――先輩の彼女にして下さいっ!」
大きく頭を下げた彼女に、あなたはもちろんだと即答した。
「ありがとうございます! 先輩っ! 今日もいつもみたいに、ハーフパンツ着用しています!」
彼女はロングスカートを両手でたくし上げて、ハーフパンツの裾のほうを見せた。
「彼女になってから初めての、中見せですよ」
周囲の人目も気にしないで見せてくれる彼女が、実に愛おしい。
あなたは彼女に腕を出すと、彼女はあなたの腕へと嬉しそうに抱き着いた。
買い物の予定が休日デートに変わったのは、あなたにとって幸せな変化だった。
最初に告白した時の彼女からは想像もつかない笑顔が、あなたのすぐ手に届く距離にある。
つい、あなたが空いているほうの手でなでてしまうと、彼女は恥ずかしがった。けれども、喜びが多分に含まれた、素敵な表情を見せてくれた。
(終わり)
後輩女子「ええと……先輩? 好きなパンツを、知りたいのですか? ハーフパンツの間違いじゃなくて、パンツなのですか……。私には、そんなに強いこだわりはないです。あっ、今から、先輩が好きそうなものを選んでくれませんか? 恋人になってくれた先輩からの最初のプレゼントとして、ありがたく受け取らせて頂きます!」
ということで、最後までお読み頂き、ありがとうございました。
ハーパンチラやたくし上げの作品は他にも色々あるので、それらもよろしくお願いします。