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畏怖(if)  作者: CHACHAN
第一部:「勝手に降臨」編
6/12

第5話:謎の女神"吾屋"の秘密を追う?

会議を追い出されたワカトシがとった行動とは……


< 彼の心に魔が差した >


 会議室を叩き出されたあとも、ワカトシはその姿を忘れられずにいた。

 神々が一斉に緊張したあの空気……誰よりも存在感があった。


 ──その女神の名は、「吾屋あや」というらしい。


「……気になる……」

「……調べよう。いや、調べねばならぬ!」


 そう口にした瞬間、彼の心に魔が差した。


 目的はただひとつ──天界政府の極秘ファイルへのアクセス。それは、彼の仕事の"役目"から考えるとかなり逸脱した行為だ。


 しかしあれだけ、会議で極秘情報を聞いてしまった彼は止まらない──いや、ぶっちゃけあの美女が何者か、ただ知りたいだけである。


 ワカトシは、意気揚々と政府人事データベースに「吾屋」と打ち込み、検索ボタンを叩いた。

「……」

「……」

 ──このファイルは最高機密レベルです。アクセス権限がありません。

(くそっ、やはり……人事情報は無理か!)


 次に過去の神事記録や降臨ログなどを検索した。

「……」

「……」

 ──アクセス権限がありません。

(また、空振りか……)


 ワカトシは仕方なく、自分の所属する末端部局のログイン画面に切り替える。人事記録は諦めて、部署に保管されている彼女にまつわる身辺情報を調査した。


 ……だが出てくるのは、「天界ビューティー特集!」「女神の美白ケア10選!」「おしどり神夫婦の密着スクープ!」など、ゴシップレベルのどうでもいい記事ばかり。


「ちがう、そうじゃない……俺はもっとこう、正体とか過去とか……」


 そうやって片っ端から開いていた時だった。

 一つだけ、ロックがかかったファイルに気づいた。


《 主任権限/秘文書-第6ファイル_吾屋惶根 》

 ……これは。

 ……あやしい……これは期待できる!!


 しかし、パスワードが掛けられている。

「……」

「……」

 ──パスワードが違います。

(まさか……誕生日じゃないよな……)


 彼は"まさか"と思いつつも、主任の誕生日を入力した。

 パスワード入力……『1124』


「!?」


 ……空いてしまった。

(パスワードの使い回し! ザルすぎる!!)


 ついにワカトシは、情報へたどり着いた。

 恐る恐る中身を見る──「資料:吾屋惶根ランキングファイル」


「ら、ランキング……?」

 ……目を通したワカトシは、5秒で頭を抱えた。


【吾屋惶根 殿堂入りランキング】──天界オリオン調べ


「天高原で最も美しい女神」──初代1位(殿堂入り)

「天高原で最もナンパされた女神」──初代1位(殿堂入り)

 → 大昔はそんなに有名だったのか?


「隣に立たせてはいけない女神」──初代1位(殿堂入り)

「割烹着が似合わない女神」──初代1位(殿堂入り)

 → どうやって統計取ったんだコレ……


「声を聞くと背筋が伸びる女神」──初代1位(殿堂入り)

「最も顔に性格が出ない女神」──初代1位(殿堂入り)

 → ちょっと、恐れられてたのか……オーラかな?


「口噛み酒をしてほしい女神」──初代1位(殿堂入り)

「素足で強く踏まれたい美魔女神」──初代1位(殿堂入り)

 → ちょっと毛色が変わったな……誰の性癖だ?


「"それで?"と言われたい女神」──初代1位(殿堂入り)

「やたらと"元〇〇"が多い女神」──初代1位(殿堂入り)

 → もう、意味がわからない……



   * * *



「天界で最も歴史を█████████████████


 えっ!?

 最後のこれ……墨消しされてる?

 よりによってここだけ"のり弁"状態……


 ワカトシは背筋をぞわりとさせた。

 バカみたいなランキングだったはずなのに、最後の一つだけ様子が違った。


「やっぱり……謎が多い……女神だ……」


 彼はそっと端末を閉じた。

 この瞬間、また一つ秘密を知ってしまった──若き神が増えたのだった。




── つづく ──

最後までお読み頂き有難うございました。

ぜひ、続きのエピソード「第6話」をご覧ください。


また、ご覧いただいた方は是非とも評価やブックマークをお願いします。

モチベーションになるので、★5でも★1でもつけていただけると幸いです。

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