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SFショートショート

天使に連れられて

 天使が地上に降り立つようになってから十数年の時が流れた。といっても神話に語られるような神の遣いが出現したわけではない。

 その天使たちは宇宙船に乗って別の星から来たのだ。


 そんな宇宙人たちがなぜ「天使」などと呼ばれているのかというと、その理由は簡単である。彼らの背には白い羽があり、全員が非常に整った顔立ちをしているのだ。


 彼らは地上に降り立つとまず初めにこの地球上に存在しているありとあらゆる争いの調停を始めた。小さいものは子どもの喧嘩から、大きいものは国家間の戦争まで。

 そうしてあっという間に世界を平和にすると、今度は病気をなくし、貧困や差別を解決し、エネルギー問題もなくし、罪を犯した者を更生させ……つまり、この地上にあるあらゆる問題を解決していったのだ。


 天使という名前に負けないような活動をした彼らが地球を支配することに異を唱えるような者はいなかった。


 地球が平和になったあと、彼ら天使は一月に何度か百人ほどの人々を彼らの宇宙船へと連れて行くようになった。

 人々は宇宙船に連れて行かれた人たちは彼らの母星へと行ってそこで今以上に素晴らしい生活が出来るのだと考え、羨望の眼差しを向け、また次は自分が選ばれるようにと努力をするようになった。



 天使たちに選ばれた人々は天使の母星へと向かう宇宙船に乗せられていた。彼らの母星はどんな世界なのだろう、と思い思いに想像を巡らせ、楽しそうに話し合っていた。

 その宇宙船には天使たちの言葉でこう書かれていた。


「食用肉移送中」

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