王太子側近
ルーナは王城でゆっくりとした時間を過ごしていた。ル-ナはエイルの事を気にかけていたが、レオンにはあまりかかわらないように言われてしまう。エイルはギルドで働きながらルナの行き先を探索していたが、一向に話は先に進まなかった。
ルナはレオン王子の側近として、首席宮廷魔導師に任命された。ただ身体の調子が悪い為、本当にレオンの側にいるだけである。更に何故か魔道着ではなくドレスを着るように指示されていた。
「殿下?私はこんなので仕事した事になるんでしょうか?」
「あぁ、これから私の事はレオンと呼んで欲しい。呼び捨てでたのむ。」
「それでは、周囲にしめしがつかないのでは無いですか?」少し困った顔をして上目遣いでレオンを見上げる。
「君が私にとって特別な存在である事を示す意味で効果的だね。」
「なっ、何を考えてるんですか・・・」
「だから、私にとって君は特別なんだよ。まぁ苦労して来た分は私の側で少し休みなさい。」
レオンは黒い短髪で吸い込まれそうな紫色の瞳、整った容姿、長身脚長で筋肉質でありながら細身のイケメン。そんなレオンはルナをかなり気に入っているのだ。
「ありがとう。感謝します・・・」ドキッとして目をそらし俯いた。
ギルドでは、ルナがどこにいるか把握しきれない状況である。それは、レオンがルナを側に置いて離さない事と、全く外に出さないようにしているばかりか、ルナの情報を流さない様にしているからなのだ。
ただし、そればかりではなく、ルナの体調が悪化して来ている側面もある。最近はレオンの方が、動けないルナの側についている様な状態である。終いにはレオンが何故かルナの部屋で執務をしている様な有様だった。
「大丈夫かい?何か欲しいものある?」
「ありがとう。大丈夫です。でも、この古代呪術の傷を何とかしたいんですけど、解呪が難しいんです。エイルを育てる為に使った魔法の反作用もありますし・・・」
「アサシンの毒については、ルナが残してくれたアサシンの遺品のダガーから解析させてるから少し待っていて下さい。」
「感謝します。ところでエイルはどうしていますか?」
「元気にしている様ですよ。まぁルナの身体が改善するまでは、合わない方が良いでしょう。それに、貴女はもう私のただ一人の側近なのですから彼にはもう関わらないで欲しいんです。彼はもう一人前の冒険者なわけですから。」
「そう・・・ですね。わかりました。レオンには良くしてもらってるから・・・仰せのままに・・・」
エイルは毎日王城に通い詰めていた。何度ルナの行き先を聞いても城にはいないと言う返事をされるだけであった。
拉致の開かない状況に、エイルは唯一の方法をとる事にした。剣聖の認定を受けて、宮廷騎士になる事を目指す事にしたのだ。
現在エイルは、修行がてらレイセルを伴って依頼を消化している。
一日だけの野良パーティではあるがレイセルはご機嫌である。経験値は稼げるし、憧れのエイルと一緒に過ごせるのだ。
レイセルのブラウンの髪はワンカールのミディアムヘアで可愛らしい印象。背は低めでスタイルはそこそこである。服装は軽めのブラウンとグリーンのワンポイントの効いた地味ではあるが真面目なファッションだ。
「あのぅ・・・もしもよければ私と固定パーティを組んでもらえませんか?」
「・・・ごめん。まだルナが忘れられないんだよ。」
「ルナさんは美人だし、イレギュラーを倒した時も別世界の人だとは思ったし、私じゃ敵わないもんね。」レイセルは寂しそうに笑う。
「僕をここまで育ててくれたのはルナなんだ。なんの見返りも無しに。だから、強くなって迎えに行かなきゃいけないんだ。」
もう、エイルは冒険者としては既に一人前であり、十分一人でやって行けるのだが、ルナがいなくなって初めて好きだった事に気付くのだった。
いつもご閲覧ありがとうございます。ま~何でしょうか?少し、、、レスポンスあるとうれしいな~と、、、すいません。