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誤解とありもしない信用

アサシンに襲われたが、一応返り討ちにしてギルドに向かうルーナ。自分もかなりの深手を負っているのだが、必死にエイルの居場所を聞きまわる。だが教えてくれない。やむを得ず、第二王子であるレオンと取引をして、エイルの居場所を聞き出した。ルーナはエイルの危機を救うべく戦場に向かうのだった。

最近、ルナがエイルと依頼の仕事をしなかったのには理由があった。


 実際にはエイルは魔法の能力が全く無いと言っても良いほど才能がなかったのだ。それを賢者レベルまで引き上げる為には命を削るほどの魔力付与をしなければならなかったのだ。


 マナ・マグニフィケーションを繰り返した為に反作用が予想外に強く出てしまい、いつもエイルが仕事に出た後で一人で痛みに耐えていたのだ。


 「うぅっ・・・こんなに反作用が辛いなんて思わなかった。胸が引き裂かれてるみたいい。」


 さすがに殆ど魔力無しの人間をマスターレベルにまで引き上げることはかなり無理があったのだ。


 ひとしきりベッドでうずくまっていると、ふっと気配がしたが、つぎの瞬間・・・


 「あっああぁ・・・」


 ルーナは不意をつかれて、切なそうな悲鳴をあげる。


 「お前、元々病んでたのか・・・暗殺しに来る必要も無かったな。まっいいか、もう刺しちゃったし・・・」テイマーと同じパーティの高位のアサシンだったのだ。 


 「あぁいい事教えてあげるよ。お前の大切な剣士様はこれから酷い目に会う事になる。お前はもう助けにも行けないがね。」


 ルーナのムネには、黒光りした不気味なダガーが突き立てられている。


 「へー、たしかに相棒の言う通り、極上のお姫様だ・・・刺す前に悪戯くらいしたかったなぁ。」


 「ハ・・・イヒール・・・あっれ?傷が治らない?」


 「呪術をかけられた特殊なダガーだからね。おまけに毒まで塗ってある。自然毒だから魔法じゃ解毒も難しいね。」


 「あなた、何者?エイルに何をしたの?」


 「きっと、今は別のパーティに入って高位ランクの案件に出たらしいから、これからあり得ない敵と出会って大変だろうねぇ。」


 「ぐうぅ・・・」ルナは必死に身体を起こすが、なまりのようである。


 「ま、今のお前の身体じゃどうにもならないだろうけど・・・トドメは刺さないからせいぜい苦しむといいさ。じゃあまたな。機会があっ・・・」


 「フリーズ・インパクト!」


 瞬間、時間が止まったかのようにアサシンは一瞬で凍りつく。隠していたルナの父親の使う氷属性魔法である。現状を保存した状況で敵を倒したのである。ルナは転移魔法でギルドへ移動した。


 ダガーで刺され血塗れの胸を押さえて必死に受付になだれこむ。立っているのもやっとである。


 服装も魔導着ではなく普段使いのワンピースでしかも胸は血だらけで一部は裂けている。辛うじて安物の細剣だけは持ってきていた。


 「お願い!エイルの・・・行き先を教えて・・・うっ」酷い状態だが周囲の目は冷ややかであった。


 『あーあ、エイルに愛想尽かされて焦ってらぁ』『可哀想に、エイルに捨てられたんだね。』『最初からチヤホヤされてたからいい気味だわ。』『はい!廃棄処分決定。』


 酷い有様だった。


 「すみません。個人の情報なのでお教え出来ません。貴女はエイル様とはどの様なお関係でいらっしゃいますか?」


 「・・・友達・・・です・・・」


 「ご家族でも無い限りお教え出来ないんですよ。それよりも、ルナ様!酷い怪我です。治療室にご案内します。」


 「だめ!そんな事してられない!!」


 『あー、未練がましい。』『あそこまで落ちたくないなぁ。』それでも、周囲の反応は冷たかった。


 泣きながら必死に訴える。「お願いです。なんでもしますからエイルの居場所を教えて!!エイルが危いの!」


 「いいお話ですね。その案を採用しましょう!」後ろから、第二王子のレオンが割って入った。話を聞いていたのだ。


 「受付嬢の方、どうでしょう王族権限でエイルさんの居場所を私にだけ教えてくれませんか?」


 「で、殿下のご命令とあれば・・・」


  そこは、ベノラ平原でオークの群れ討伐との事であった。


 「では、ルナ嬢は休んでいて下さい。そんな無理をするものではありませんよ。」


 「だっダメなんです。恐らくはまた、イレギュラーかネームドが召喚されているはずです。殿下!場所がわかっただけでも十分です。私はすぐに行かなくちゃ・・・ぁ」意識を失いかけるがじぶんの大腿部にナイフを刺して意識を保っていた。


 「では、私もお供しましょう。それから約束は忘れないで下さいね。」


 ルナは、レオンと一緒にエイルを探して、すぐに転位して行った。

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