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アポロンの襲撃

天界の考え方は一様ではない。その中で中立派に属するヘスティアやアルテミスなどは、天界の平和を乱す可能性のある大きな力を持つ存在、ルーナを天界に隔離することで今回の天界の分裂に終止符を打とうとする。そして、ルーナは地上の安全を引き換えに自ら投降することを了承する。しかし、その状況を良しとしない地上浄化推進派のアポロンはヘスティア神殿に乗り込み、軟禁されていたルーナを害そうとするのであった。


ルーナは悩んでいた。もしも、天界が約束を守って地上浄化作戦を考え直してくれるなら、ローゼスや地上の人族、万物にとって悪い話ではなかったのだ。


 ただ、ルーナ個人的には何のメリットもなく、自由がうばわれるだけなのだが、仲間達や愛する者たちを護る最良の手段なのであった。


 『・・・どうせこんな身体になっちゃったから、これから先も楽しい事も無いんだよね。・・・』ルーナは天界の拉致、幽閉を受け入れる事にしたのだった。


 「姫!それは危険です。天界に行ってはいけません。」フィンは必死に思いとどまらせる様に説得する。


 「・・・確かに危険なんだけど、ヘスティア様は嘘をつくような方ではないと考えています。私はこんな身体だから皆んなにやってあげられる事も多くないの。それに、貴方達は強くなったわ。もうあなた達は私から卒業よ。ローゼスにはもう20本以上の世界樹があるから、私が直接マナを供給しなくてもやっていけるはずだしね。」


 ほとんどのAI戦士たちが引き留める中吹っ切れたような表情をするルーナ。


 もし、この条件で勃発しかけた聖戦の火が消せるならそれでもいいと考えていた。






 数日後、天界はルーナを迎えに使いをよこした。大天使一柱と、天使兵3柱が降臨し、ペガサスに引かせた馬車は飾りのない質素で軍事用の物であるようだ。


 「ルーナ様、早速ではありますが貴女の力を封じさせて頂きます。」右腕と両腿にかなり強力な封飾具が嵌められた。


 少しだけ寂しそうにローゼスの仲間たちを見やると、にっこりと微笑む。痩せ我慢である事は分かっている。


 ヘスティアからは身柄の安全は保証されていたが、他の神からの確約は何もないのだ。そして遂にルーナはヘスティア神殿に向けて旅立ったのであった。





「ルーナ女王、よくおいで下さいました。今回の女王の英断に敬意を評します。」ヘスティアは慇懃に挨拶を交わす。


 「取り敢えず、明日私の親友アルテミスが迎えに来るまでは、危険なので、神殿からは動けないのです。」


 現在ルーナが天界に投降したことは、中立派以外の神族は知らないはずなのである。 


 もしも、この事が他の神族に漏れれば、天界の中でも各派閥間で争いが起きる可能性があったのだ。


 合流する予定のアルテミスは、地上浄化派のアポロンの妹に当たる正当な神族であり、狩の女神でもあり戦闘に関して、戦女神であるアテナやニケにも引けを取らない神である。


 アルテミスが合流すれば、地上浄化派の神々も簡単に手が出せなくなるのだ。






 しかし残念ながらヘスティアとアルテミスら中立派の作戦は、地上浄化派に漏れ伝わっていたのだ。


 地上浄化派としては、アルテミスと合流されると厄介なのである。地上浄化派は、太陽神アポロンと数名のネームドエンジェルでヘスティア神殿に乗り込んできたのだ。


 ヘスティア神殿は周囲を囲炉裏、家庭の暖かな炎で護られているのだが、戦闘を得意としないヘスティアの護りでは心持たない状況であった。


 「ヘスティアよ、今すぐこの炎の壁をどけるのだ!」アポロンは12神の中でも上位の神である。


 「なぜルーナ女王を幽閉した事を知ったのか知りませんが、彼女は私の管理下です。貴方に渡す訳には行きません。お帰りください。」


 「貴様こそ、我々が地上浄化の妨げとなるその魔女の抹殺を計画していた事を知っていたはずである。邪魔するならただではすまさぬが覚悟は良いのか?」


 「この後に及んで引くわけにまいりません。」ヘスティアは、覚悟を決めていた。


 このまま戦えば、神殿ごと抹殺されかねない状況であるが、律儀なヘスティアは、引くつもりは無いのだ。


 アポロンは、太陽の炎でヘスティアの焔の結界を灰に変えていく。


 ヘスティアも新たな結界を重ねて張り巡らすが太陽の炎の前では無力であった。


 「きゃあっっ」ヘスティアは炎に巻かれて生きながらにして焼かれて行く。


 そしてついには倒れてもがき苦しんでいる。この切迫した状況に気づいたルーナは急いでヘスティアの加勢に駆けつけるが、手足に嵌められた封飾具がルーナの力の殆どを封じていた。


 「マナハーベスト!!」必死に残った魔力を限界まで研ぎ澄まして行く。


 「フロストノヴァ!」燃え盛るヘスティアの周囲の炎は消え全身大火傷に苦しむヘスティアに駆け寄る。


 「クリティカルヒール!」最強の治癒魔法がヘスティアにかけられる。


 ヘスティアを助け出すルーナだが、アポロンも放ってはおかない。


 「姿を現したな魔女め!フレアランサー!」灼熱の聖槍がルーナに降りかかる。 


 「ちぃっ・・・フリーズラピッドストライク!」必死に応戦し、不利な闘いの中なんとかアポロンの攻撃を相殺。


 気を失っているヘスティアを抱えて神殿の奥へ転移しヘスティアの安全を確保すると、再びアポロンの前に立つが既にルーナを待ち構えたネームドエンジェルが攻撃にかかる。


 空間魔法に優れるテルネリエが空間の刃がルーナを貫く!ルーナの身体から血飛沫が上がる。悲鳴をあげる暇も無い。


 身体能力に優れるガドラエルがルーナの腹部を蹴り上げる。「どぼっ」鈍く内臓が潰れる音がする。


 ルーナは大量の吐血を撒き散らし宙を舞う。


 トドメは聖なる氷柱がルーナの右手と腹部を貫き神殿の柱に磔られてしまった。


ご無沙汰しております。何とか復帰して頑張ります。ご閲覧お願いいたします。

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