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刺客

初戦を完勝で終えたルーナ。少し落ち着いた感じで油断していた。そんな中、ルーナの傍に可愛らしい神獣が迷い込む。しかしこれが天界から送り込まれた刺客を呼び入れるための作戦だったとは気づかなかったのだ。まんまと刺客の侵入を許すルーナ。痛手を負ってしまい、本人は戦えない状況。代わりに出撃したAI戦士達。戦闘の行方はまだわからないままだった。

アーレスの率いる一軍を殲滅して数日、静かな日々が流れていた。


 そんな中、メナキアの城内に可愛らしい神獣が一匹迷い込んでいた。


 その神獣は魔力の素養を知覚し、好ましい主人を選ぶ性質があるらしく、真っ先にルーナに懐いた。


 「クルネおいで。ご飯あげるね。」


 クルネは、少し大きめのリスの様な姿で、綺麗な白い翼を持ち、大きな真っ青な瞳の美人さんである。


 クルネはルーナの肩に乗るとルーナの頬に頬ずりしてはルーナの目を見つめる。


 ルーナは、クルネをとても可愛がっておりいつも側に置くようにになっていた。


 しかしながら、クルネの首には真紅の宝石が嵌め込まれており、別に誰かに飼われていた可能性もあったのだ。


 静かな、時はいつまでも続かない。天界は次の姑息な手段を進めていたのだ。





 ある晩、突然に刺客が送り込まれたのだった。場所はルーナのベッドルーム。


 通常であればローゼスの結界を超えて侵入は出来ないはずだが、刺客はある物を媒体としてそこを通じて転移して無防備なルーナに襲いかかったのだ。


 「うっあっ・・・いやあぁぁ」黒い天使がルーナの上に馬乗りになり神器で胸を突き刺し抉っていた。


 血は飛び散る事はなくただひたすら寝具を真っ赤に染めていった。


 「くっ ・・・」ルーナは抑えられた口を必死に振り払い叫ぶ。


 「フィンたすけてぇ!」


 フィンは、一瞬で瞬間転移して来て、黒い天使の首を刈る。


 「姫様、大丈夫ですか?」ルーナはフィンの腕の中で苦痛に耐えて声も出せないでいた。


 「だっ・・・だいじょ・・・ああぁぁっ」ダメであった。


 神器は確実に心臓を抉っていたのだった。


 侵入はクルネの首に着けられた魔石を媒体にして侵入したのだった。クルネは天界から差し向けられた神獣だったのだ。


 ルーナの状態は最悪であった。


 バンパイアとは言っても、急所である心臓に神器による刃が穿たれたのだ。神器による傷は回復困難である。まんまと致命傷を負わされてしまったのだ。


 現状では痛みや苦痛で十分に集中出来ないためマナハーベストで魔力効率を高めようにも思うようにならない。ましてや自分の魔法耐性を凌駕して自己回復魔法をかけるのは困難な状況であった。





 今回の刺客による暗殺行動は、完全に天界の思う壺にハマってしまった。


 ルーナさえいなければ、ローゼスへの侵攻はかなり楽になると考えていたのだ。


 そしてその機会を逃すはずもなく、間髪入れずに再戦を挑んで来た。


 立場を無くしたアーレスとしては、執念深くこの時を待っていたのだ。


 今度は大天使が30体と言う軍勢、更には天界でも一二を争う神剣士アードラ、神剣士レナールを随伴する事により、天界屈指の布陣をしいて来たのだ。


 今回もいち早く天界の動きを察知したラザレアは、心配をかけない様にルーナには天界の追撃を伝えず、直ぐにストラトスに状況が報告された。


 ルーナの状態が良くないためローゼスの結界は一部で破綻しており、アーレス達はそこから侵入。メナキアの皇城に迫っていた。


 ローゼスは、リューネ、フィン、ユニス、ベガ、イースといった戦闘に特化した布陣に、強化したAI機械蜘とAIスライムによる軍勢で迎えうつ作戦だ。  


 今回の先鋒はリューネ、群がる大天使達を一人で押し返して行く。後方にはイースが付き高出力の防御壁を展開しリューネを護る。


「エアリィスラッシュ」


 圧縮された空気の刃は、既にユニスが空間断裂効果をリューネの魔法に付与しており、大天使達の神聖結界を物ともせず斬り進む。


 大天使達は予想外のAI戦士達の強さに混乱を隠せなかった。


 「インテグラルセイントアロー」天空に展開された巨大な魔法陣から光の矢が降り注ぐ。


 隊列を乱した大天使達はなす術なくリューネの聖属性範囲魔法の餌食となってしまった。


 驚いたのは、アーレスである。


 「雑魚どもが何故ここまで強い・・・」ルーナが鍛え上げた精鋭達の実力を認められずにいた。


 「ではいよいよ我らの出番だな。」聖剣を携えた天界の剣豪が出撃。


 それに気付いたフィンが真っ先に飛び出していく。


 「ガキーン シュイーン キュンギギン」フィンはレナールと剣撃を交わす。


 レナールの聖剣は最強の硬度と聖属性付与による攻撃力強化である。


 フィンは敵の実力を測るために暫く打ち合っていたが、満を辞して剣技を繰り出す。


 「一閃」溜めを作った姿勢から一気に高速の剣撃が放たれる。


 「シュイィィィン」


 剣の撃ち合い後、後方に距離を取ったはずのレナールに鋭い剣圧が襲いかかる。


 「ちいぃっ」辛くも剣圧を避けるが尻餅をついてしまう。


 『こいつは、舐めてかかると危ない!』危険を察知したレナールは離脱を試みるがフィンはそれを許さない。


 瞬間転移で神剣士の前に現れ技を繰り出す。


 「クレッセントムーンスラッシュ!」閃光伴う斬撃がレナールに浴びせかけられる。


 フィンはルーナを姑息な手段で追い込んだ神族軍にかなりの怒りを抱えていたのだった。


 「ギャギイィィン!」聖剣を弾き飛ばしてレナールの身体を切断に行く。


 「ジャキキイィッ」間一髪もう一人の神剣士アードラが剣撃を止めていた。


 フィンは強かったがこれで二人の神剣士を同時に相手をする事になった。圧倒的に不利な状況になったのだ。


おはよーございます。本日もご閲覧よろしくお願いいたします。

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