表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/52

和解そして同盟

図らずもジルドレイの血を吸血する機会を得ると同時に、その幼少期からのジルドレイの魂の深層に振れたルーナは自分がアンブロシアを飛び出した状況と比べ、我がままだったと感じていた。そして、動くのは早かった。ルーナはアンブロシアに戻り過去のやり取りにつき謝罪して、新しい一歩を踏み出した。新たな聖戦の可能性も考えて・・・

現在、ジルドレイの居城は賑わっていた。


 またいつホムンクルスの軍勢が攻めてくるかわからない中、ルーナは数体のAIマスター達を呼び寄せたのだ。


 リューネ・ストラトス・フィンとユニスの4体である。


 No3リューネは、シリーズの中でトップの強力な範囲魔法が使える。彼女は先の巨人の様な敵の侵攻を食い止めるのに有効。


 No5ストラトスは、超天才でありルーナの参謀役であり高速移動、高速思考で瞬時の判断に優れている。


 No9フィンは、瞬間移動・高速移動・絶対切断を操る一対一に特化したローゼス最強の護衛である。


 No10ユニス、彼女は空間操作魔法の天才。分散・融合を繰り返すホムンクルスを異空間処理するための役目として呼び寄せていたのだ。


 ジルドレイの城は、ヴァルセリア領でもローゼスよりに位置していた事から防衛ラインとして位置付けたのだ。


 「おいおい、私の方が捕虜になった気分だなぁ」ジルドレイは苦笑いする。


 「貴方の意識深層は正義なんだから、私は貴方の僕だけど仲間なんだから目的は一緒でしょう?」ルーナはあっけらかんと答える。


 「やれやれ、お姫様には勝てないな。」ジルドレイは呆れ顔で話すが、何か嬉しそうである。


 キールやベリタスは、この万全な体制に動きがとれないでいるのか、暫く静かな日々が続いた。


 そして、ジルドレイの吸血から、ルーナの心境の変化は大きく、自ら祖国アンブロシアに出向く事にしたのだ。目的は関係改善?であった。






 ルーナは大きな翼にかけるレースのケープに深いネイビーブルーのタイトドレスと言う大人な出立ちではある。


 バンパイア化してからというもの表情は柔らかで、大きな瞳は目尻が下がり可愛らしい顔立ちである。


 幼さと美しさの同居する、見る者全てを魅了するに十分な容姿なのだ。印象的にはバンパイアと言うよりサキュバスである。


 久しぶりに謁見した、祖父である皇帝アンゼルもバンパイア化した孫娘を嘆いて良いのか、その可愛らしさを愛でれば良いのか、戸惑いを隠せないでいた。


 「お祖父様お久しぶりにございます。まずはこの玉座にまみえるに当たり、今までの御無礼心から謝罪致します。」


 「良い! ルーナ・・・息災であったか?」アンゼルはこぼれる様な笑顔で迎えた。

 

 「ご覧の通り魔のものに魅入られてしまい、この有様です。しかしながら、不肖ローゼスの女王であり、主人である真祖からは自由を約束されています。

・・・ただ確実な事として、私はアンブロシアの正当な王位継承権を返上したいと思います。」


 「なんでこうなるの?私ずっと待ってたのに!」セイラが会話を遮ってつっかかる。


 「ごめんね。でもね、セイラの方がきっと素敵なアンブロシアの女王になれるわ。自信持って!」


 「・・・ルナ姉が一緒でなくちゃいやだよう!」


 「私達は双子の姉妹、形は変わってしまうけど、私もAI機械国家ローゼスの女王よ!これから二人で世界の秩序を守って行くんだから、寂しくなんかないのよ。」


 「ずっと待ってたのにぃ・・・」セイラは泣き崩れている。


 「ごめんね。でもそばにいるから・・・寂しくないから。・・・アンゼルお祖父様、我がローゼスと同盟を!また聖戦が起こります。協力して護り抜かないと!お祖父様!ご決断を・・・」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ