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ラバーナ会議

ローゼスはルーナが女王になっていから、目覚ましい進歩を遂げていた。そんな中、年に一回のラバーナ会議が開催される時期になっていた。ラバーナは大陸の中央に存在する小さな混成国家であったが、仲の悪い各4つの軍事国家の仲介を果たす重要な役目を果たしていた。そんな中、革命ともいえる変化をきたしたローゼスは話題の中心になっていた。果たしてラバーナ会議での申請ローゼスはどのように受け入れられるのか、気になる所である。

ローゼスの国内状態はかなり良くなっており、まだ若木とはいえ世界樹も7本も育ち地上にも十分なマナが行き渡っている。


 人間はいないのだが国内に一億人以上の人間が生活出来る程の生産力も有していた。


 国境近くはルーナが強化したAI機械兵器が護り、虫の子一匹他国から侵入出来ない状況を作っていた。





 そんなある日、オルタニア大陸の中央にある多国籍国家ラバーナでは、4大軍事国家から首席を集めて首脳会談か開かれる。 

 

 そこでは不可侵の確認と物資の流通量に関しての協議がなされるのだ。


 ルーナはまるで裸の身体にシースルーの白く透けたローブを直接纏っただけの悩ましいスタイルで会場入りした。

 

 今回護衛は製造No4ベガは、まるで大切な物を抱きしめる様にして入場して来た。


 ルーナの眼前には、魔王キールと剛魔将ゼノンが鉢合わせする。暫く対峙してお互いを観察する。


 「貴女が血の通わない機械達の女王か?やけに儚い少女だな、捻り潰せそうだ。」冷ややかな長身の美男子が吐き捨てる。


 「お試しになりますか?」ルーナは何の毒気も無くフワリと微笑んで返す。


 キールがいきなり魔力戦を挑んでくる。ルーナは埃を払うかの様にキールの魔力圧を弾く。


 「随分なご挨拶ですが、魔族は王になっても品が無いのですね。」微笑みを崩す事なく嫌味を返す。


 「貴様らが、我々の魔力核を必要としている事は分かっている。あまり私の機嫌を損ねない方が良いぞ。」キールは不敵な笑みを浮かべる。


 「別にあなた方の野蛮なマナを使わなくても結構です。私達には、もっと清廉なマナの供給源が有りますから。」ベガも口を挟む。


 睨み合っていると、アーシェラの懐かしい声がきこえてくる。


 「ルーナ!やっと逢えたね。」


 「アーシェ・・・久しぶり。私も逢えて嬉しいわ。」


 古代魔法大国イーラの皇太子アーシェラである。早速ルーナの細い身体を抱きしめる。


 「まだ、スライムは寄生したままだからあまり触らないで・・・」恥ずかしそうに頬を紅く染める。スライムの催淫作用で身体が敏感になっており触れられると感じてしまうのだ。


 「へー、君達はそう言う関係なのか?小賢しい奴ら同志で仲良くするといいさ。」キールは自分の席に戻っていった。


 最後に真っ白な顔の人種が入ってきた。「成程、AI機械国家の支配者は人か・・・ローゼスは誇りを捨てたのだな。」無表情に言い放つ。


 「相変わらず気持ち悪いわね。あなた達に比べたらこの子達の方が余程気持ちが分かり合えるわ。結局あなた達はコンプレックスの塊じゃ無いの。言いがかりつけるのはみっともないんじゃない?」


 ルーナは遠慮なくホムンクルスの王ベリタスをなじる。ベリタスは怒る事は無い。機械と同じで感情が極めて薄いのだ。


 そして4大国の代表全員が席に着いた。魔族の国ウェルガリアのキースから宣言書を読み上げる。


 「我が国は国民全てを賄う食糧と魔族用の医療品、生活用品をラバーナに要求する。ウェルガリアからは魔力供給、軍事協定を対価として提案する。」


 つぎに古代魔法国イーラのアーシェラ皇子が話し出す。


 「我々はラバーナには侵攻しない事を約束する。加えて今後はローゼスと軍事的、経済的に同盟を締結した事をお伝えしたい。」


 他国からどよめきがおこる。過去にはこの4大国同士が同盟は愚か仲良くした事など無かったのだ。


 「今後イーラとローゼス間の取り引きは、ラバーナを介さず直接交渉で行う事にする。その上でラバーナには今まで同様の関係継続を依頼する。」 


 ウェルガリアとホムンクルスの国ミークソルへ侵攻しないとは言っていない。


 つまり中立国であるラバーナは今まで仲の悪い軍事国同志の中継ぎ、仲介をする事で潤ってきたのだ。


 ホムンクルスの国家ミークソルの王ベリタスの順番になる。


 「我が国はラバーナには不可侵であり、化石燃料、鉱石を提供し、魔石、魔聖石、食量品、日常生活品を要求する。」


 ホムンクルスは、魔石の力を借りて多様な生物進化を遂げており、これらの利用は欠かせないモノであった。


 そもそもホムンクルスは、大陸内の大錬金術師が作り出した人造人間であるが、いつしか食事を摂り、会話し、生殖能力を持つようになった。ホムンクルス達は、進化の段階で色々な能力を開花させていった一方で、感情や表情などの心の進化には鈍感だった。


 一方でミークソルは、鉱物、化石資源が豊富であるため、石油から宝石、貴重な金属などが豊富に採掘される事から採掘技術が発達している。軍事的には得意も無いが何でも出来る多様性をもっているのだ。


 いよいよローゼスの番である。


 「私はルーナ、新たにAI機械国家ローゼスの女王になりました。我が国ローゼスは長年の懸案事項であるマナ問題をクリアし、マナの時給自足が可能になりましたのでご報告致します。したがってラバーナを含めて他国から魔力源を輸入しなくて良くなりましたので今後、魔石や魔導核は不要です。当国は人工魔石も製造できますし、食料、生活用品、化石燃料、鉱物資源全てにおいても時給自足できますので輸入は不要です。当国家からは、食料生活品、魔道具、作業機器、機械兵器、AIを必要な国には検討致します。勿論ラバーナには不可侵、イーラは同盟国という形で今後は皆様に対応して参ります。」イーラとラバーナ以外の国とは、あまり仲良くする気は無いのだ。

今日は仕事があり、やっと投稿です。いつも通り閲覧お願いできれば幸いです。レスポンスもよろしくねー

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