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テイマー

ルーナはアーシュラにベタベタに甘えるようになっていた。とはいえ周囲の状況は全く整理されておらず、ローゼスへ攻め込む件、決闘時に勝手に介入してきたテイマーの始末が残っていた。いやが応にも問題の対応が必要な状況になっていたのだ。

この日から、ルーナは人が変わったかの様にアーシェラにくっついて離れなくなった。


 しかもスライムの胎内侵食の後遺症の為誰かに触れて貰いたい、愛撫して貰いたい欲求が強く自制が困難だった。


 ルーナは公務をしているアーシェラの膝の上に座り、胸に抱きついて動かない。


 「殿下、ルーナ嬢はもう膝から下ろされたら如何ですか?」宰相のファリオンが訝しげに話しかける。


 「何時も触れていないと、心配だからこれで良いんだ。」仕事の手は止めない。


 「アーシェ・・・」


 ルーナは夢の中に居るかのようにうっとりと見つめてくる。そして、アーシェラの空いた方の手を取り自分の胸を愛撫するように導くのだ。


 「なんだい?こうして一時も離れた事はないのに心配なの?」ルーナは切なそうにアーシェラを見つめる。


 「早く一緒に寝よう?」


 「そうだね。でもまだやる事があるんだ。」  


 「・・・そう、やる事があるんだ。・・・まず、一つはローゼスをどうするか?早くこちらから攻めないと体勢を立て直してしまう。二つ目は、私をこんな体にしたテイマーをそろそろ絞めておきたいの。」ルーナは真面目な顔でアーシェラに訴える。


 「・・・わかった。テイマーの件は古代魔術で魂となったリガートに聴いて見よう。ローゼスは、、、君の力が必要だ。相談しよう。」




 夜になり、ルーナは薄いピンク色のシルクのナイトドレスを纏い、アーシェラの部屋のベッドの上に丸まっている。


 アーシェラが同じベッドに横たわるとルーナを抱き寄せる。


 「アーシェ?私壊れちゃったみたい・・・もう私は女王は出来なそう。でも一人で生きていくのも無理なの。アーシェはずっと一緒に居てくれる?」ルーナはあどけない表情でアーシェラを見つめる。


 以前の様に凛として威厳のある立ち振る舞いはできそうになかった。


 「ルーナこそ私でいいの?」


 

「うん、アーシェがいい。」ルーナはしっとりとアーシェラに抱きついて眠りについた。




 召喚術師の名はアキューズ。カーマイン大陸のラグシャール出身の20歳になる若きテイマーである。


 極めて高い能力を持っており、将来を期待されていたがその猟奇的な性格から表に出せない存在であった。


 ルーナは一度だけ彼と接触した事がある。それは、2年前、ルーナが冒険者を始めたばかりの頃、悪い冒険者に騙されて敵中に置き去りにされたアキューズを助け励ました事があった。


 「君の魔力、とっても綺麗だね。いい魔術師になれるよ。」


 その頃のルーナの美しく気高い生き様はアキューズには眩しく映っていた。そしてその淡い恋心は、報われる事は無く少しずつ彼を歪めていったのだ。


 それ以降、アキューズはルーナを執拗に追いかけては、遂にこのオルタニアまで追いかけてきたのだ。


 そして、今日ルーナはアキューズと決着をつけに行くのだった。

よよよいよい。閲覧どうもありがとう。レスポンスはないんだよなー

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