お買い物
ルナは覚醒を果たした。ルナは母親であるメルティアが大天使二柱と融合した経緯から羽根が生えて大きくなっていく仕様である。そんなルナは着る服もない。アーシェラはルナを抱きかかえて買い物に出るのだった。アーシェラはそこでルナに告白をするのだが、それは一人で生きて行こうと決めたルナの決心を揺さぶるものであった。
ルーナは覚醒を果たした。アーシェラに抱きかかえられているルーナは未だ身体に魔力の漏出による光を纏った状態で、背中には大きな翼が生えている。
衣服は消し飛ばされた状態で全裸である。胸には呪いの傷は残っているが他の外傷は全て治癒している。見るからに美しい天使なのである。
「ルーナ、よく頑張ったね。力になれたかは分からないけど、助けに来てよかったよ。」
「有り難うございます。魔塔主様、来てくれて嬉しかった・・・」ルーナは幼さの残る屈託のない笑顔で笑う。
思わずアーシェラはルーナを抱きしめる。
「あのぉ裸だから恥ずかしいです・・・」ルーナのらしくない可愛い反応にアーシェラも顔をあからめ、自分が纏っていた外套でルーナを包んだ。
「魔塔主様?」アーシェラがあまりにも見つめてくるので恥ずかしそうに顔を覗き込む。
「・・・改めて名乗らせて下さい。私の名はアーシェラ・フォン・ランティス・ド・イーラ、古代魔法大国イーラの第一皇子です。これからはアーシェと呼んでくれないか?」
「はい・・・あっあの、皇子様だったんですね。知らずに無礼を働いたかも知れません。お許し下さい。」ルーナは恥ずかしそうに頷いた。
「じゃあ、魔塔に帰ろうか。」アーシェラに抱きかかえられたまま転移魔法陣を展開して帰還して行った。
覚醒したルーナは魔力量が覚醒前の十倍以上になり先に覚醒している妹のセイラの魔力量を凌ぐ程になっている。
ラプラスに破壊された魔導循環回路の自己修復にはかなり時間がかかりそうだが、ルーナは覚醒前に既に魔力効率を最大化する技術を極限まで鍛えていた事もあり現在は無敵状態である。
魔塔に戻ったアーシェラは、早速ルーナにかけられた呪いを解く為の準備を開始した。必要な魔具の調達と言う名目でルーナと一緒に街に出るようになっていた。
「ルーナ、今日は折角だから、街を案内するよ。たまには息抜きもいいものですよ。」
「そうですね、ローゼスとの戦いが大変だったから気分転換もいいですね。」
エクリアの街は賑やかである。アーシェラはルーナを貴族街に案内した。
「あのぉ私一度ギルドで報告と精算をしないとお金がありません。」少し困った顔をした。
「今日は私が払いますから、好きな物を好きなだけ買ってもいいですよ。」初めからそのつもりで連れて来たのだ。
「困りました。これ以上アーシェに迷惑かけられないです。」
「ルーナのお陰でこの街が無事だったのですからこのくらいは当然です。それに、その翼で着れる服を作らないと満足に外にも出られないですからね。」にっこりと笑うと一言加える。
「男なら誰でも好きな女性には、カッコつけたいものです。」
「・・・分かりました、今日はお世話になります。」頬を赤くして、俯き気味に答える。
ルーナの今日の服装は、身体の形が分からないひらひらのルーズな空色のワンピース。その姿は可愛らしい天使の様である。
今回覚醒したせいで、翼が大きくなって隠せなくなってしまったため魔法着、ドレス、普段着と沢山の衣服をプレゼントされた。
採寸では、ルーナの身長は156と小柄で上から85E・55・80で女性としてはこの上ないスタイルだ。
「次は装飾店ですね。魔封装備が全て消失したからアクセサリーはあった方が良いでしょう。」有無も言わさず、ルーナの手を引いて店に入ってしまう。
「ダメですよこんな高価な買い物、、、」
「いいから、任せておいて。私がしたいからやってるんだから。」魔力やスペルが組み込める良質な宝石を中心に上から下まで揃えてしまった。
二人はカフェにはいって休憩である。ルーナは恐縮してしまって、小さくなっている。
「何故そんなに良くしてくれるんですか?」ルナは魔塔主アーシェラに問い返す。
「貴女がとても美しい女性だからと言う事ではだめですか?」
「貴方くらい眉目秀麗で力も地位も持っている男性なら、いくらでも可愛らしくて性格の良い娘はいたでしょう?わざわざ他に理由も無しに訳ありの私に声をかけてくるなんておかしいですよ。」
「話さないと仲良くなってくれませんか・・・」
「・・・」訝しげにアーシェラの顔を覗き込むが、その顔が堪らなく可愛らしいのだ。
「ホントなんだけどなぁ、、、でも、話しておいたほうがいい事もあるのかな?」アーシェラは、意味深な発言を続けるが、本心を話し出す。
「実は私は古代魔法で人の背景、環境、出自、性格、記憶、過去の全てがわかってしまうんです。すみません、貴女の事、全部見せて頂きました。」
「あっ呆れました。でもだからって貴方は私をどうしたいんですか?」キョトンとした瞳をして驚いた。
「ルーナ・メルル・カルバリオン・ド・アンブロシア、、、君を幸せにしたい。それだけです。」
「あっ、、、何故、、、」
「君は可愛い。そして頑張り屋さんで我慢ばかりしてて、でももう我慢させたくないんだ。君をドロドロに甘やかしたい。」
「私をばかにしないで下さい。これからはずっと一人でやってくって決めたんだから!」何故か涙が零れた。




