逃亡、再び
ルーナは母国の追手に捕まってしまった。さらに魔法を封じる魔法具をはめられどうしてみようもないかのように見えたが、魔法操作において最強と言えるルーナにとっては魔封装備を増やしても特に影響はなかったのだ。シーベルの隙をみて、シーベルを他のい空間に放り込み隔離してしまったのだ。ルーナはラグシャールの二人の王子とエイルを助け出すと再び違う大陸へと旅立つのであった。
世界の果てまで逃げてきたある魔法大国の双子の皇女の一人ルーナは、遂に母国の追手に捕まってしまった。
ルーナ自身の強大な魔力を恐れた母国の追手であるシーベルは、新たに開発された魔力を封じる為の首輪をルーナに嵌めた。
その装備は装着者が魔法を使うと魔力分の苦痛が装着者に課せられると言う魔封具である。
そればかりか、今回ルナを匿った罪に問われたラグシャールの二人の王子は、ルナが逃げた場合の人質として扱われる事になった。
「一年と三ヶ月ぶりか、久しぶりだな。」
「ベル、貴方が来るなんて皮肉ね。」
「中途半端な奴が来てもお前に逃げられるか、やられてしまうからな。・・・お前が頑張ってきた事はわかっているつもりだ。そんなお前が何故アンブロシアを離れる必要がある?」
「頑張り続ける事に疲れてしまったんです。」
「お前は、覚醒したセイラを相手に互角以上に渡り合ったじゃ無いか。お前がアンブロシアの女王で誰も文句はなかったはずだ。」
「ううん。あの時セイラが本気なら私は死んでいた。」
「お前は頑張りすぎたんだ、一緒に戻ろう。」
「・・・嫌です。ベル御免なさい・・・」
「エターナル・ディメンション・ケージ・・・」シーベルを空間隔離して別の空間に放り込んでしまった。
「ごめんなさい。貴方なら少し時間かかるかもだけど自分で脱出できるでしょう?・・・がっはああっ」ルナは大量の吐血をしてうずくまる。魔封装備のペナルティは、かなりきついものだった。
ルナは気づかれない様に魔力効率を極限まであげて、できるだけ少量の魔力で無属性の最高位魔法を発動したのだ。
ルナは急いで城へ戻ってバーンとレオン、エイルを牢屋から解放した。
魔封装備は外そうとしたがシーベルにロックされており全て外せない様になっていた。
要はルナは本来の100分の1程度の魔力量に押さえ込まれているのだ。
ルナはエイル・レオン・バーンの牢屋の鍵をあけた。
「ルナ・・・あの追手の魔導師はどうしたの?捕まったんじゃなかったの?」エイルは驚いて食いつくようにはなしかける。
「うん、シーベルが私を舐めてたおかげで、隙をみて空間隔離して異空間に封じることができました。」
「ルナごめん!僕が余計な事しなかったら捕まったりしなかったのに。」エイルがルナの手を握って離さない。
「気にしなくて良いよ。でも、もう私はこの国にはいられないから・・・」
「それは、どう言う事ですか?」今度はレオンが心配そうに声をかける。
「シーベルは最強の魔法戦士よ。これで倒せるはずはないの。すぐに異空間から抜け出して来ると思うわ。」
「俺達では相手にならないんだろうか、、、」バーンは難しい顔をして問う。
「難しいと思います。」ルナは苦笑いして頷く。
少し沈黙が続いたあとルナが話し出す。
「レオン?今まで有り難う。イケメンさんで優しくて礼儀正しくて素敵な王子様。貴方のプロポーズは受けられないけれど、とっても嬉しかった。ありがとう。」レオンを抱きしめた。
「バーン?私を地獄の拷問から助けてくれたヒーロー君。態度や言葉は粗暴だけど、本当は誰よりも正義感が強くて、優しいのは私が知っているから大丈夫だよ。」マジマジとバーンの顔を見つめる。
「おい!行くなよ。行かないでくれ。」バーンがルナを抱きしめる。
「ありがとう。でも、私はここにいちゃいけないんだ。わかるよね。」
最後にエイルへと歩み寄る。
「エイル?、、、」
「聞きたくないよ!ルナ。」
俯いたエイルの頭をギュッと抱きしめる。
「ごめんね。折角頑張ってここまで迎えにきてくれたのに、、、貴方は強くなった。たくさん魔法も武術も覚えたね。エイルはもう一人前だよ。自信持ってね。・・・それから、レイセルちゃんエイルの事好きみたいだよ。気にかけてあげてね。」エイルは大泣きしている。
「じゃシーベルが異空間から抜け出してくる前にここから離れないといけないから。皆んな元気でね。バイバイ。」ルナは他の大陸へ転移して行った。
閲覧おねがいしま~す




