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魔法剣士エイル

剣聖の資格を獲得したエイルは、ルナが王城に匿われている事を確信していた。このままではルナに会えるチャンスはない。そこで、王宮に自由に行き来できるように王宮騎士になる試験を受けるチャンスを待っていた。そしてその時がやってきた。しかしそこで待ち受けていた上位の王宮騎士はエイルの良く知る人物だったのだ。

結局ラグシャールは退位したラグナスを引き留めて王位を継続、バーンが第一王位継承者、レオンが第二王位継承者におさまり元の鞘に治る事になった。


 ルナも立場は変わらず、レオン専属の守護魔導師として配置されたのだった。後は目立たない様にルナはレオンの影に隠れて気楽にしていればいいと言う事である。  


 とは言え、アンブロシアの話はラグシャール王国にとってはショッキングな話しであった。軍事力・魔法工学においてかなりの差が明らかだった。もしもアンブロシアと戦争になったら、全く相手にならないほどの戦力差があるのだ。





 間も無く、今年の宮廷騎士の選抜が行なわれる。戦力補充の意味も兼ねているのだ。そして、遂にエイルが試験を受ける事ができるチャンスが回ってきたのだ。


 宮廷騎士候補、宮廷魔導師候補の選抜が行われた。そこには、エイルとレイセルが立っていた。


 エイルはルナに会いたい一心で努力して来た。初めてルナと出会ってから一年間、この時をひたすら待っていたのだ。


 エイルは両親が亡くなった後、単に生きるためだけに惰性で冒険者をやっていた平凡な青年であった。ルナと出逢うまでは・・・。


 ところがルナと出逢ってから全てが一転、今はもう剣聖の資格をもつ魔法剣士に成長していたのだ。


 そして、エイルはルナと再会する為に試験会場にやってきたのだ。そんなエイルを追ってついて来た少女レイセルも宮廷魔導師を目指して本日試験を受ける。





 今回の試験は、剣術と魔法どちらを使ってもよく、とにかく試験官を倒すか、試験合格を認めさせるかすれば合格である。試験官は宮廷騎士上位10名から選ばれる事になっている。今回エイル達を担当する宮廷騎士は、達ての希望でルナ本人が担当する事になった。


 ルナは身体の線がはっきり見える黒い魔法着、軽い細剣に顔を隠すための仮面をつけて会場に立つ。その細いウエストに見合わない胸と腰は綺麗な曲線美を見せつけ、これから闘うという事が想像も出来ない艶姿である。


 一人目は身体つきの良い若い男性ゾットだ、第二騎士団に5年間在籍した経緯があり軽々とブロードソードを振り回す武闘派だ。


 ルナは胸の傷が癒ていないため激しい動きにはついて行けない。レオンは心配そうに見つめるが、ルナは殆ど気にしていない。


 試験が開始されると同時にゾットは仕掛けてくる。ルナの剣撃は速いが軽い。魔法で補ってもいないのだが、ゾットの重い剣撃が事もなげに捌かれていく。捌かれては中に入られ剣を首に突きつけられる事5回、判定が下された。


 「鍛えたら強くなれるから合格!」


 そんなやり取りを繰り返して7人目、レイセルが出てくる。


 「貴女は白魔導師ですね。大丈夫ですか?」


 「はい、白でも多少は攻撃魔法は行けるんですよ。」試験開始である。


 まずレイセルは反応が早かった、無詠唱では無いが詠唱が最短である。


 「セイント・レイ!」数十発の聖属性多段攻撃がルナを襲う。


 ルナは殆どを全ての聖属性光学攻撃を剣技で払い除ける。わざと一部の攻撃を吸収してレイセルの使う魔法を解析する。


 「ピュアリー・エルブラスト!」聖属性高出力狭角攻撃魔法がルナを襲う。


 「シュィン!」少しタメを作って光学攻撃を薙ぎ払う。


 「解析するの大変だったけど、なるほどなかなかの腕だね。君は数少ない戦聖女だね。合格!」


 そして11人目ようやくエイルが出てくる。


 「身体強化!速度強化!思考高速化!」速度をあげて一気に攻撃を繰り出す。


 『一閃』音速を超える高速剣がルナに迫る。


 「キィィィン」ルナは事なげに捌く。


 『迅!』エイルは更に速度をあげて攻め込んでくる。


 『斬!』そこから一気に斬り伏せる。


 「キュイィィン」それでも捌く。


 「流石に宮廷騎士の上位ナンバーだな、ただの女性騎士じゃ無いね。」エイルは本気で攻撃準備をする。 


 「空間切断付与・・・」武器に空間を切る無属性魔法の効果を付与する。空間ごと切断するため切れない物はないのだ。


 『迅』『一閃』『閃空!』絶対切断効果の付与された連続技である。普通は捌くことも出来ない。


 「ディメンション・バースト」空間爆破魔法で完全に絶対切断攻撃を拡散させ無効化した。


 「さすがはエイルだね!私に魔法を使わせたのは貴方だけだよ。強くなったね。」ルナは仮面を外した。


 「・・・ルナっ、ルナぁ、ルナあああぁ」エイルはルナに駆け寄って抱きしめた。


 「エイルは合格だよ。」ルナはいままでの中で最高の笑顔でわらっていた。

あ~、今日も閲覧よろしくお願いいたします。乱筆乱文すみません。

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