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夢物語~sin of happiness  作者: finalphase
第5章 幸福の追求
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Episode42 未来に翔ける翼

デストロイアーがほのかの腹部に器械でできた頑丈な手を押し込める。


「ソノフコウ、キュウシュウスル、ソノフコウ、キュウシュウスル」


ほのかが顔を顰めて更に呻き声をあげる。


彼女の心の中から不幸が吸収される。


不幸の残骸も姿を現した。


デストロイアーはトドメを刺そうと静かにこちらに向かってくる。


ほのかは小さく声を絞り出すように何かを呟いている。


「私のせいで、みんながこんな目に... 私、このままでは終わらないよ。みんなに迷惑をかけた分は、きちんと責任を取るんだから!マジカルシャワー!!」


黄色い雨のような光線がデストロイアーに降り注ぐ。


その隙に恵理たちも立ち上がる。


「どんなことがあっても、心が折れない限り私たちは挫けない」と恵理。


「みんなで力を合わせましょう。独りでは絶対にかなわない強敵でも、力を合わせればきっと倒せるはずです」と湊音。


「ミラクルフューチャーストライク!」


ミラクの力を借りた梨乃が虹色の矢でほのかの拘束の糸を切る。


「ありがとう」とほのか。


まだ寝ていた海翔もようやく立ち上がった。


「しょうがねぇな、手伝ってやっか」


梨乃がみんなに呼び掛ける。


「決まりね。みんなで力を合わせるわよ」


5人は空高く手を天に挙げると、無意識のうちに叫んでいた。


「天の恵みよ、私たちに、俺たちに、あたしたちに力を与えたまえ!」


5人の身体は黄金に包まれるとともに背中に神秘的な羽が付き、まるで天使のような見た目になった。


「一気に決めるわよ。ほのかと恵理は左から攻撃をお願い。湊音君と海翔は右を頼むわ。4人が時間を稼いでくれたら隙を見てあたしが正面から奴を粉砕する。」と梨乃。


「わかりました、任せてください」


「了解、私たちに任せて!」


とやる気満々な湊音とほのか。


海翔は「自分だけおいしいところを取りやがって」と梨乃に対して少し不満そうなご様子。


恵理がその様子を見て儚く微笑んだ。


「スペシャルツインレインボー!」


ほのかと恵理がデストロイアーの左の腕に強烈な攻撃を加える。


「おい、湊音、俺たちも行くぞ。」


「はい!」


「スペシャルサグレットアタック!」


「スペシャルソードブレイク!」


この2人を見ているとどちらが年上なのか分からなくなってくる。


海翔がタメ口なため、年下の彼に敬語を使っている湊音が少し滑稽に見えてくる。


海翔と湊音の合体技がデストロイアーの右足を切断する。


足を失ったデストロイアーは再びバランスを崩し後方に倒れた。


「スペシャルフューチャーフィニッシュ!」


梨乃が隙を見計らってデストロイアーの身体に向かって弓を放つ。


「みんな、今よ!あたしの弓に力を蓄えて」


「うん。」


「スペシャルオールパワー!」


1人1人が強い気持ちを込めて弓に力を注ぐ。


弓はすさまじい輝きを放ってデストロイアーの身体を見事に貫通した。


デストロイアーの動きが停止する。


強大な敵であるロボットを故障させることに成功したのだ。


「ふぅ。一時はどうなるかと思ったぜ」と海翔。


「いけない、もうこんな時間」


地震の腕時計に目をやった梨乃が少し慌てた様子を見せる。


5人は急いで学校に向かった。


一連の様子をモニター越しに見ていたデストロイアーは不気味に微笑みながら呟いた。


「やるじゃないか、幸福の戦士たち。だが、人間の不幸は既にだいぶ集まった。あとは最後の仕上げに入るのみだ。俺との直接対決で絶望の味を知ると良い。」


デストロイアーとの決着はいわば最終決戦までの1つの試練に過ぎなかった。


これから彼らを待ち構えているのは恐るべき力を持った最強の敵。


余裕な表情を崩さぬデストロイアの前に彼らは果たしてどう立ちはだかるのか。


5人がこの後遅刻したことによって、学校で叱られたことは言うまでもない。



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