話が噛み合わないのは日課だ
「週に3日しか働けないのですが大丈夫ですか?」
これは普通なアルバイトの面接だったらまだしも、冒険者チームの新しい仲間を募集している最中だぞ!
僕は目がキラキラで、絶対にゲームの中で出場したら、主要キャラみたいな顔のしている子を見つめて、断った。
「疲れたー」
「もし新しいメンバーが加入してきたら、どんな子がいい?」
「雇う金があるけれど、無駄遣いは許しないわ」
「いえ、発想くらいでいい。これは企業間の人間コンサルティングにも大切な一環として実践されたプロセスだ」
「そうなんだ。…うん、やっぱり地域に笑顔をお届けできて、とってもほかほかしてて、人を助けるって胸があったかくなる子」
よっしゃー!引っかかったぞ。中卒ドラゴンがこんな名詞に弱いことが分かっていたから。
「パワー」
「鋼鉄はいかに鍛えられたかほどの鉄の意志」
無効投票が2通。
「そもそもミミックを戦わせながらすべてのものを背負わせるのは不公平すぎるー」
ああ、パワーを求めている4次元ポケットが不満を言っている。
「じゃさぁー、次の街に行ったら一緒にスカウトしよう?」
「スカウト?」
僕が口に出す言葉への翻訳の精度がどこまで伝わっているのか、僕は未だも知らない。あ、中卒ドラゴンは別格だ。
「日額保障はいくら出る?」
「独り立ちできるまで安心サポートしてくれるのよね?」
「冒険者って…水商売しすぎのかしら?ある程度決まった仕事があるほうが安心して働けるわ」
ああこいつもそいつも…
「真面目過ぎるのかもしれませんし、単に怖がりなのかもしれませんが、慎重になるに越したことはないですからね…」
また違う酒場で相席した男に、何と答えればよいのかわからない。確かに私たちは、要人の護衛とか伝説の秘宝を探すとかではなく、単なるおよそ一つの方向に進んでいる、野遊び隊にすぎない。しかも性別のバランスが偏っているし。でも僕の地位が乗っ取られた不安になる…こういう意識が覚めた。
「リスクは機会なりだ!」
僕は木のジョッキーのわからない液体を一気に飲んで立った。結局、今日もメンバーを増やさなかった。




