東西南北がわからないけど、いざ何処かヘ
「もう一回、もう一回」
僕はガキの笑顔のしたすべり台を楽しむドラゴンを見守っている。
「いえーい!」
すべり台でこんなにも喜ぶのか。
「もしそのすべり台はサイクロイドの形をしていたら、もっと早く降りてくるのよ」
「え?」
「サイクロイド回転するときの円上の定点が描く軌跡だ。あなたとの対話から感じたけど、最速降下曲線の問題を知っているのね?」
魔女がなぜか数学問題を強いて聞かせてくる。仕方なく彼女の話に乗ろう。
いったん魔女の話しも終わって、サボってもいいと思いきや、何回もすべり台から降りるドラゴンっこがすべり台の途中で転んでしまった。
ゴロゴロと降りてくるだろうと思ったら、もなかちゃんがドラゴンに変身して、天井を壊した。
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい…」
営業での先輩がいくらミミックの後輩に繰り返して謝っても、一瞬での破壊力が半端じゃない。
洞窟の中なのに、飛んでくる黄砂が迫力ある演出をしてくる。まるで砂漠で砂あらしにあった感じだ。
「いえ、むしろ助かりましたのよ。解放してくれたから」
どうやらミミックの仕事有期契約も満了して、もっといい待遇を上の人に要求したが、なにかの弱みを握られていたらしい。ちょうどドラゴンのこが、ダンジョンでのあるものも壊して、ミミックにかけられた呪いとか解けてあげたらしい。
「なんなんだこの話しは?適当過ぎるじゃないか?」
魔女は納得していない様子だが、一応ミミックもこの小隊の一員となった。
時々暴走するドラゴン、いっそ無愛想な美人に見えるのに変なこだわりのある魔女、そしてカバン何百個代わりに都合のいいミミック。ほぼ異世界での西遊記じゃないか。まあ僕が食糧しか消耗していないから猪八戒だけど。




