追跡!ドラゴンがミミックにセールスウーマンの技を指導! (気が散った)
ダンジョンの通年パスを呼び売っているミミックの女の子がいた。
「あたしはカタリナといいます。ダンジョンの通年パスはいかがでしょうか?心理的な負担もなく、好きなときに出たり入ったりできますよ。通れない仕掛けはスタッフが代行して解けますし、さらにモンスターからのプライベート見守りサービスもついています…」
「ダンジョンに通うほどでなければ損なうのだろうか…」
「誰もが体を動かす本能を持ち、スキルを保持する重要性を理解しているけど…年間パスほどはちょっと…回数券か月間パスがないのか?」
「回数券?月間パス?管理者がいないのでお答えを控えさせていただきます。」
ダンジョンに行きたいわけでもないけど、なぜか血圧が高くなるように感じる。
「営業失格じゃないか?もう見るだけに苦しい!営業は最初では表情で決まる!そしてものを相手に売りたいならまず相手の言ったことをそのまま返すという会話の基本的なテクニックだわ」
「えぇぇー、え?」
もなかちゃんから熱い闘気を感じる。いや、営業の武芸を競うわけじゃないから、こんなに大げさな…
「呼吸も乱れたら、人にものを売る説得力もなくなるわ。ほら、ひとまず長く息を吸って」
「すー」
「やばっ、彼女はもう誰でも止められない…」
僕がアナスタシアをもなかちゃんと離れるように連れ出した。
「なんで離させる?フィズクルトミヌートカは体にいいじゃない?」
「それは…待って、フィズ…何?」
「言い換えれば国民の身体の素質高めることに汗を軽く流す活動の総称」
「保健体育?」
「多分。」
僕はあんな早口で長い単語を話せない。
「アナスタシアのような子が委員会に務めていたらキューバ危機なんかが発生しないのだろうね」
「はい?キューバか、そういえばあの時の所長はキューバ産のタバコをパイプに詰めて吸っていた。あれからは何年のだろう…キューバって島だっけ?もし島で生活したら、穴居人になりそう…」
「きれいな髪、ジャムのようなお肌を持っている美しい女は穴居人になるわけない。あなたが穴居人ならば、僕がババ・ヤーガ…」
「やだ。君は本当に面白いね。」
ふざけ合うようになった。
2人でダンジョンの入り口に戻ったら、ちょうどドラゴンの臨時講義が終わるところだった。
「もしかしたら先輩もダンジョンの通年パスを売っていました?」
「違う。私はもっと意味のあるものを売っていた。バケモノになっても乳酸菌が不可欠なものだわ」
「乳酸菌?」
「また時間を潰そう?」
僕がアナスタシアの手を引く。




