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フ?ホゥ!

「そこら辺は湿度がちょうどいいらしい。そこに泊まろう?」

「異議なし」

「適当に休んでいいよ」

着陸。

「Ladies and gentlemen, welcome to Nowhere Airport.The local time is IDK, and the temperature is acceptable…」

向かい風に吹かれて頭が痛くて、目と鼻と口がビリビリしていてもかかわらず、僕がわくわくする気持ちを収まらずに、機長アナウンスのフリをする。異世界の地名なんかわからないよ。

2人がわからなくてよかった。わかる子の前にこんなことをしたら恥ずかしいのに。


人間の姿に戻ったもなかちゃんが船を逆さまにして置いたら、仮の宿営地のルーフが完成した。

「つりどこにする?それともマットっぽいもののほうがいい?」

「まさかちょうど四次元ポケットを持っているわけではないだろう、餅中エモン?」

「オーシーオーキー」

ドラゴン娘が拳を握って僕の頭を軽く叩く。


鎌と槌の魔女が物理的道具を使って魔物狩りしている。普通なら杖を使って何かを唱えるのが普通な気がするけど…でもその才女の力を借りたら、仮想通貨のウォレットのパスワードだけでなく、この世界で量子コンピュータも発明できるのかも。


僕は三人行えば必ず我が師ありを念頭に置いて見学したりする。仕方ないのだろう!魔法も変身もできないし、僕のみぞ知る知識も役立たないから。あ、そうだ、香辛料を準備しよう。


でもこのシーン、もしまたお茶を淹れて夕陽を見たらもう完全に休日のデイキャンプ。けどお茶なんかない。魔草も胡散臭いから却下。魔草を焼いて粉々にしたらどう?天才的発想だ。


僕らが一匹焼き鳥をしている最中に、通りかかった行商人がふじで編んだ輪を押し売りしてきた。


「フラフープ」

「完全にフラフープ」

オーヴルチ(О́бруч)ホゥラホゥープ(хулахуп)

日本人が2人以上いれば、同調圧力がかかってくる法則が異世界でも効いているらしい。


「フー」

「ホゥー」

異世界で魔女とフの争いするなんて、ちょろすぎる。


行商人が僕たちの激しい議論に加入できず、商売をやめて去った。


「ああ、もったいないだね。誰かが値段を交渉したら、こっちから主導権を握るのに」

「もなかちゃんって、フラフープが欲しい?」

「フラフープじゃなくて、他にもたくさんあるのだろう?」

「ホゥー!…エトヴクスノ(Это вкусно)!」

「エクアドル」

「エクアドルってなんなんだよ。しりとりでもないし…」

「今はかっこいい単語挙げ選手権大会じゃないの?」

よし、これを機に、鎌と槌の魔女をフから注意力を逸らして…

「エクアドゥーァ」

あ、魔女の歯の隙間に鶏肉が付いている。

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