無職から臨時助産師、取り上げたのは、農民の子
私は頭がおかしくなったのに違いない。この土地を愛しくなって、ここでの生活もとても気に入っている。数週間前にしか来ていないのに。かつてにいた世界にでも、僕はとても弱く、とても無能で、とても無知で、とても取るに足らなく、その世界にいてただの泥の塊だった。しかも生まれながらマイクロプラスチックと戦う世界だった。赤ちゃんとして、哺乳瓶のミルクを飲んでも、皮下注射を受けても、マイクロプラスチックが血液に付着してしまう。異世界に来たら、プラスチックが避けられるから、気に入った。
今日は、初めて赤く焼けたナイフでへその緒を切ることを見学した。麻酔とばい菌が気にしない。そもそもそういう概念もない。だが、何とか人体に使うものも沸かしたお湯に数秒間入れるから、少しは落ちつく。男だから力仕事を任されて、妊婦の身を押さえることだった。力仕事って言っても、科学が発達した社会の鍛えのない草食男が、普段から重労働に慣れている農民の女を押さえるなんて、少し無理じゃ無くない?苦労した。けど、新しい命を迎えることは、奇妙だった。生まれたばかりの子が、小さな目を開いてこの世界を見た。君のママはあそこだよ。このベッドに濡れた布を握っている人の役目が終わったよ。その子の家族ではないのに、その子にトゥインクル・トゥインクル・リトル・スターを教えたらどうなるのかとかを想像してしまう。2000億円?(暴落すれば100億円も足らないだろうか、いちいちファイナンシャルニュースをチェックする能力があるわけか?)のスティックが手に入れることも及ばない嬉しさだったことも、初めて感じた。
「あーあー」という音楽が絶えずに演奏された。男の子?女の子?言葉の通じない村人たちに聞いても分からない。その子を包んだおくるみ布を開けて見るのはさすがに…でもすごく気になる!
「異世界の子もこういう泣き声をしているのね」
「それはそうだろう…亜竜人じゃないから」
竜人のセールスウーマンが現れる。
「なに真面目に見ているんだ。自分で実戦したいか?」
まあ、ドラゴンもコウノトリのように子どもを運んでいるのかも。
「実戦って…」
各地に飛んでくることが一緒だね。
「その時は僕が親しく手伝うよ」
それ以前に、匂い対策しなかったらただの飛ぶスカンクだ。ドラゴンの匂いが赤ちゃんを間違いなく泣かせるのだろう…
「親しく…」
「その時のために鍛えるから」
拳を作って、僕の決心と共に見せた。
「鍛える…」
「恥ずかしがらず、慌てず、緊張せずにリラックスして」
あ、もう数週間異世界にいても、時々思わず日本語が口に出るね。妊婦がそれを反応せず、かわりにドラゴン娘が寝そべるような姿勢で座り込んだりする。多分、彼女が相当的な疲れを溜まっているのだろう。
「あ、聞いてほしいけど…男の子?それとも、女の子?」
バイリンガルのドラゴン娘の肩を揺らして、助けを求めたら、何故か冷たい視線を向けてくれた。