高い城(2階アパート)のドラゴン
ドラゴンはお金を使うことはできないが、お宝をたくさん蓄えている。
親友と仮想通貨をマイニングしてから数年、僕には、その価値を150円から2000億円とスマートフォンの画面で確認してきたが、使えない。
親友も、ある日、飛行機を乗って、行方不明になっていた。
今、電気が止められた2階アパートの一室でガス会社の滞納通知書を見ている僕は、一瞬、その暗号化されたusbメモリーを解読したくなる。だが、親友がパスワードを持っている。それぞれパスワードどメモリーを保管して、それぞれの家族を作った時期に、一緒に家族のためにそのお金を使おうと約束した。でも、もう彼の失踪宣告はもうすぐ時効に向かう。そんな約束、破れても…いい?
ヤ〇ルト売りの少女が来ました。普段なら、僕は街ゆく人々と同じく、少女には目もくれず、目の前を通り過ぎていくばかりだっだが、今日は何となく飲みたくなった。っくそ、節約志向の生活を送ってきたのに、さらに貧しい生活に陥るとまずい。
はい?ヤ〇ルトのびんの中から、ドラゴンの鱗があった。苦情案件じゃない?怒った僕がびんに視線をうつると、ドラゴンのメイク落としと書いてあった。
「あ、ごめん」
ヤ〇ルト売りの少女が慌ててドアを叩く。僕がドアののぞき穴で外を見たら、少女の姿ではなく、ドラゴンだった。
「…ドラゴン?!」
「っなんだと?!」
その後、ドアがドラゴンに破壊された。
ドラゴンが再び、少女姿に戻った。
「あわわっ、ごめんなさい!原状回復するから、他の人に言わないでください…」
「ねぇ、僕を異世界に連れてくれる?お姉ちゃんの自宅でも…ここはもうしばらく泊められないじゃない…」
「えぇ?」
「オエー」
ドラゴンの鱗って匂いが強くて、僕が体の反応に逆らえず、少女の前に嘔吐してしまった。
「ほんとにごめんなさい!」