急進的モラトリアム

同じ中学を卒業した僕(芹口)と岸本泰翔(たいと)は、高校のクラスで再開し水泳部に入る。小中とスイミングスクールに通っていた岸本とは対照的に、僕は泳ぐことに執着などせず、ズルズルと夏休みまで過ごす。そんな僕の隣の席に座る津川アキは、数学科の長谷川(ドジョウ)に叱られるが、物怖じしない勝気な性格が僕の胸を強く打つ。夏休み。高校総体の予選を見に行った僕は、そこで同い年の勝山明夫(あきお)の競技に見入り、彼に対して何かを感じる……

自由とは何か、恋愛とは何か。
入学から夏休みまでの短い期間を書いた中編小説