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秋とともに

作者: 武田道子

秋とともに





あぁ、今この冷たい大気の中で

秋の香りを胸いっぱいに吸い込むと

柔らかな哀しい思いが

黄金の落ち葉のように

降ってくる

たまらないぐらいに切なく

胸が締め付けられるように




雑木林の葉はすっかり落ちてしまい

裸の細い枝えだは隣同士で絡み合い

強く、冬の到来に立ち向かうかのように

・・・若葉の頃には戯れと触れ合い

愛や喜びを分かち合ったけれど

厳しい季節には衣を脱ぎ捨て

素手で団結している




水色の空のおっとりとみせる表情に

今だけは安心していられるけれど

いつ豹変するか、それは

気まぐれな性格を持つ空には

誰も計り知ることはできない

風に耳を傾け

雲の動きを観察し

身を任せて待機する




でも今だけは

思いを馳せていたい

秋から冬へ変わる時

恋しい思い出が目を覚まし

胸が痛くなるのを

冷たい空気を胸いっぱいに吸い込んで

懐かしい秋の香りが

厚ぼったいセーターとマフラーに

染み込むまで


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― 新着の感想 ―
[良い点] 枝が素手で団結、という言葉は、自分には出ないなぁと思いました。秋から冬にかけて、抱きしめていたいこともあるし、でも、今から厳しくなることもあるしと、そう感じるように思います。 [気になる点…
[良い点] 秋という季節に感じる物悲しさが 自然の景色の描写を織り交ぜながら 様々な形で表現されていて 最後には、 通り過ぎていく秋の季節を その胸に抱き、これから迎える冬を思う 秋の物悲しさに浸る…
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