歴史的な数学者に転生した俺は「有理数体上に定義された楕円曲線はモジュラーである」と宣言するつもりだったが、もう遅い。フライ曲線で宣言して、ざまぁする。~君の瞳は真実を見る~
B級パロディ映画のノリです。あれな内容に唖然としながらお読みください。尚、参考資料は非公開です。
俺が高校に入学したその日、高校の門をくぐる事なく、代わりにあの世の門をくぐった。
「小惑星、シャイラから噴出したガスと塵の一部が地球を直撃、その欠片が俺の脳天にも直撃した」と目の前にいるやたら可愛いお姉さん(俺の嫁である、あ〇にゃん激似、ヘステ〇アじゃありません)が教えてくれた。
そのお姉さんは何でも天界ではお偉い人らしい。でもツインテール。
疑問に思った。
お姉さんの格好が少年誌ではアウトなくらいセクシーなのだ。(ここはヘスティ〇です)
まるで露出狂のような恰好だなと思った。そんな邪な心をしっかり読まれていて、
「神をそういう目で見ると、天罰が下りますよ」
と、あず〇ゃんの中のひとである竹達彩〇さんの声で注意されたが、ちっとも怖くないのは何故だろう。
「神」のお姉さんから、なぜここに俺が居て、なぜお姉さんと対話するのか、その理由を教えてくれた。
本来、俺の寿命はあと80年あったらしい。で、どうしてこうなった(タ〇ニャ風)と言うと、何でも天界のコンピュータ(OSウ〇ンドウズ3.1)が突然ブルースクリーンを起こし(絶対日常茶飯事だ)、再起動した際にデータの一部壊れたのが原因らしい。尚、コールセンターでは「サポート外です」と言われ即電話を切られたらしい。そりゃそうだ。
ウィン〇ウズ最新版使え、そしてクラウドにしろよ、と突っ込みを入れようとしたら、お姉さんに睨まれた。
さすが俺の嫁のあずにゃ〇似、可愛いな。
お詫びに、適当に転生させてくれるそうだ。
当然受けた。
時代も人物も選べない転生と言う。あずき相場やなんとかコインより怖ろしい気もするが、このままあの世に行ってしまうよりはまだましだと、俺は賢明な判断をした。
お姉さんは、
「よかった。わたしのミスが隠蔽できて」
胸を撫でおろしていた。
この神様は大丈夫なのか、と疑わしい目を向けると、可愛くウィンクを返してくれた。不問にしよう。可愛いは正義だ。
「では、私の瞳を見て下さい」
お姉さんが言うので、その通りにした。
透き通った綺麗な瞳だ。
見つめ合う二人。
まるで<KISS>するような状況だ。どきどきするな。えぇい。ここは男だ。この嫁は俺がもらう。
「神様、結婚して下さい」
ぶん殴られた。痛い。遺体になるくらいだ。
神聖なプロポーズは邪悪な神によって阻まれたようだと思ったら、再び殴られた。ホ〇メンドーサ並のコルクスクリューパンチ。世界を狙えるぞ。
神様の世界は意外とヴァイオレンスな世界のようだ。
「もう、真面目にしてください」
と涙ながらに訴えてきたので、その要望に応えることにした。これでも俺は一端の男である。男塾万歳!!
「詠唱するから、心を静かに保ってください」
お姉さんは目を閉じた。
やっぱり可愛い、眼福である。
「転生しろ、転生しろ、転生しろ。はげ茶瓶!!………………だったかな。てへ、ぺろ」
えぇい、この俗物!!
何が「だったかな。てへ、ぺろ」だ!
アラサー・OL・ハマ〇ン様に言いつけるぞ!!
古臭いギャグなうえにそんな詠唱あるか、と突っ込みを入れようとした途端、眼が回り始め、あっと言う間にブッラクアウトした。
ブッラクアウトしている途中、「しまった」と言うお姉さんの声が聞こえたけれど、怖いから聞かなかったことにしよう。
※
目が覚めた。どうやら机に臥せって寝ていたようだ。
ここは?
転生成功なのか?
手許にある本を見る。英語みたいな文字が書いてある。
信じられない事に、見たことのない文字がスラスラと読めるのだ。凄い、これは凄い。転生して天才になったようだ。
そして読む。読む。そして読む。
………………うぅん
なんて事だ、字は読めても意味がさっぱり解らん。トーラスとは何者なのだ。構造のことなのか、何だ?
俺は天才じゃなかったのか?
ちょっぴり泣きたくなった。
しかしこんな時こそ、俺の鋭い洞察力発揮だ!!
『X^n+Y^n=Z^n』
これはどこかで見たことあるぞ!
この嫌な感じ、頭を押さえつけられるような感覚……
この俺にここまでプレッシャーをかけるヤツと言えば……
そうだ数学だ。昼飯を食べた後に、これの呪文や経典を聞くと、クラスの大半は眠りに落ちると言う、邪王〇眼を超える最強暗黒魔術ではないか。
しかぁし、問題はない。
俺は何も見ずに九九を九の段から言える数学のエキスパートだ。
転生して、たぶん勇者になった俺の真の実力を見せてやる。
よしここは、この攻性防壁呪文を書いてやろう。
「『X^n+Y^n=Z^n』について、驚くべき発見をしたが、ここに書くには余白が足りない」
これで魔教の信徒を煙に巻く事ができるだろう。
「神よ、これで迷える子羊(学生)を救えます。次のダンジョンでは、可愛い女の子と出逢いたいです。「ごち〇さ」の「天〇座理世」さんをよろしく。オー・マイ・ロード。いきり鯖〇郎」
しかし腹がへった。やたらイカフライが食いたい。どっかで安売り(セール)をしているかもしれないな、と予想した。あとで買いに行こうか。そうだ、この現象をカント哲学に従い、
「フライ・セール予想」
と定義しよう。
経験と理論の融合だ!
素晴らしいぞ俺!!
誉めろ、愚民ども!!
それだけではない。経験と理論を繋ぎとめることが出来たのは、まるでそこにリベット(ねじの一種)があるようだ。フライ・セール予想から得られたものとして、コペンハーゲン解釈に基づき、
「リベットの定理」
と呼ぼう。これで波束の収縮が起こり世界の調和は保たれた。
俺はいま神になり世界を救ったのだ!!
まさに「ゴッド・セイヴ・ザ・クイ〇ン」もとい「ウィ・アー・ザ・ワ〇ルド」だ!!
おっ!
何て事だ。
突然、胸に痛みが走る。激しい襲うが痛む。意味が解らんくらい痛い。マジ痛てぇと叫びたくなる。
<ヤバイ、ヤバイ、死ヌゾ、コレ>
と俺のゴーストが囁く。
マジか?
転生して一日も経たず終焉なのか?
──転生は一日して持たず──
新しい諺ができそうだ。後世の歴史家、頼んだぞ。おいっ、ヤンのことばかり書くんじゃない。
「さすがセクシー神、転生もセクシーだせ」と現実逃避しても無駄だった。神様の「しまった」が噓じゃなっかたようで、何よりです。
意識が遠のいて行く。
光が見え心地良い。
これが脳の低酸素状態によって引き起こる臨死体験の威力なのか?
脳内麻薬がドバドバ出て、ハッピーな気分で「プラン9・フロム・アウタ〇スペース」だぜ、宇宙船内はカーテンで仕切るのが通だぜよー、イエーィ!!
今夜は「死霊〇盆踊り」でフィーバーどぁぜぇーー!!
みなさらば、二度目の短い人生も終わりだ。
転生の時間がきた。
三度目の人生で逢おう!!じゃ、また。
※
場面は変わって、
ある病院の集中治療室。
医師団、看護師の集団と一組の夫婦が沈鬱な面持ちで、ベッドで眠る一人の少年を見下ろしている。そして医師の一人が小さく、それでいてはっきりとした声で、
「-年4月8日11:00、死亡確認」
と言った後、夫婦からすすり泣きが聞こえた。
あれっ!?
了