2.部活見学
今日ある授業が全て終わり、帰る準備をやり始めた時、準備が終わった様子の依都がこっちにやって来た。
「雪璃〜!部活見学に行かない?」
「部活見学?」
部活、この学校では部活は強制ではないから入るつもりは無いんだけど...。
見学ぐらいなら行こかな。
「そ!部活見学!!私ね、ダンス部とバスケ部に行きたいんだー。」
「いいけど、バトミントン部は?」
「もちろん!行くよ?でも違う部活も気になるじゃん?!」
「そっか、じゃ行く?」
ってことで部活見学に行くことになった。
でも...
ダンス部は東館の三階・多目的室
バスケ部は第2体育館
バトミントン部は第1体育館
って感じで活動場所が全てバラバラになってる。
「ね、依都。どこから行くの?」
「うーんとね、ここから1番近い第1体育館!」
私たちの教室は西館で、第1体育館・多目的室・第2体育館の順で近い。
バトミントン部に着くとそこにはすでに何人か見学らしき1年生がちらほらいる。
依都は知り合いがいるらしく、すれ違う何人かと話している。
その間、私は1人だから少し心細い。
「雪璃、そろそろ行こーか!」
「わかった。次はどこ行くの?」
残ってるのはダンス部とバスケ部。
ここから近いのはダンス部かな...?
「じゃダンス部!」
ダンス部に着くと海理先輩がいた。
今のいままで忘れてたけど、ダンス部は海理先輩がバスケ部は木村先輩がいた気がする。
もしかして依都、先輩たちを見たかっただけ??
「ねぇ、依都。見学目的は先輩?」
「へへへ、そうだよ?バレちゃったか、」
「もうバレちゃったか、じゃないよー!」
「まぁいいじゃん?さぁ見よ見よ、!」
まぁいいんだけどさ、
にしても海理先輩凄い。
体格は他の男子の先輩達より小柄だけど、踊ってる時は1番大きく見える。
ダンスってあまり意識して見た事ないけど、それでも海理先輩が凄いってことはわかる...。
「あ!依都ちゃん達。見に来てくれたの?!」
「はい!海理先輩すごいですね!」
「ふ、ありがとう!雪璃も来てくれてありがとうね。」
「凄かったです。」
「ありがとうー!」
こうして、話している海理先輩は柔らくて女の子みたいなのに、人が変わったみたい...!
「2人は、これからの予定は?」
「次はバスケ部に行きます!」
「バスケ部ってことは奏汰がいるのか...!」
「はい!奏汰先輩を見に行きます!!」
依都は海理先輩と話してる時楽しそう...。
今日会ったばっかりだけどなんかそんな気がする。
「そうだ、バスケ部見て帰るなら、俺たちと一緒に帰ろ?」
「え!?」
依都と海理先輩の会話を後ろで聞いてたら、
いきなり海理先輩がとんでもない提案をしてきた。
「僕たちと一緒に、帰るのいや??」
「いえ、いやじゃないです!ぜひ一緒に!!」
「やった〜!じゃバスケ部の所に亮平もつれて行くから待っててね〜。」
「はい!!」
え、え、待って。
話が進んでるけど、これって私も一緒に帰るってことなのかな?
「依都、もしかして私も?」
「あったりまえでしょ!雪璃も一緒。」
はぁ、ちょっと憂鬱になりながらも依都に引っ張られバスケ部がいる第2体育館へ。
決して、先輩たちが嫌なわけじゃないんだけど。
ちょっと男の人や知り合って間もない人が苦手ってだけ。
第2体育館(バスケ部)へ到着。
着くとちょうど休憩タイムだったらしい木村先輩と目が合った。
「雪璃ちゃんと依都ちゃん。来てくれてたんだ。」
「はい、休憩中ですか?」
「そー今からちょうどね。」
「ていうか奏汰先輩、メガネないと誰かわからないですね、。」
「え、そう?オレ的にはなくてもわかって欲しいんだけど?」
「あはは、すみません?」
木村先輩、メガネかけてなかったから本当に一瞬誰かわからなかった。ていうか、汗がすごくて、練習が大変ってことがすごくわかるぐらい...。
にしても、お昼の時はあまり分からなかったけど、身長高いな。
私が168cmで女子でもちょっと高い方だけど、見上げたいと行けないってことは180cmあるのかな?
『しゅーごー!!!』
「あ、呼ばれた。じゃゆっくりしていってね2人とも」
私が変なこと考えているうちに休憩タイムが終わっちゃったみたい。まぁずっと依都に頼りっぱなしで私はあまり話してないんだけどね、。
それから20分ぐらい木村先輩を見ていると、
「おーやってるやってる。」
と海理先輩とすこし後ろを歩いてる神代先輩がきた。
「あ!海理先輩!!早かったですね」
「あれからすぐ部活終わっちゃったからね。でも亮平探すの手こずってさ。」
そう言って海理が神代先輩の方を見る。
ちょっと眠そう?
神代先輩どこかで寝てたのかな?
そう思って神代先輩の方を見ていると目が合ってしまった。
目を逸らすように依都の方を見ると、
海理先輩と楽しそうに話している。
「ね、こっち来て。」
突然声がしたので え?と声がするほうを見ると、神代先輩が間近にいた。
「こっち?」
「そう、こっち。」
そう手招きされたのでついて行くと、そこにはベンチがあった。
そこはあまり人目につかないところ。
「ここ、座って。」
「は、い。」
大人しく座ると、隣に神代先輩も座り、眠そうに私の方に頭を置いた。
「え、先輩?!」
「ちょっとだけ、海理に起こされて眠いの。」
「は、はぁ、。」
私が戸惑っているうちに先輩は寝てしまった。
気持ちよさそうに寝てて起こすのも悪いし、でもでも!!って感じで葛藤している。
でも5分ぐらい経つとその葛藤も小さくなっていく。
肩に先輩の頭があって動けないし、って感じで私も少しずつ眠たくなってきた。
「ゆ、雪、雪璃!!」
ん、?
依都の声がして目を開けると、
依都と海理先輩、木村先輩が目の前にいた。
「雪璃、やっと起きた!」
「え?」
「え?っじゃないの!!もう雪璃と亮平先輩、なかなか起きないんだから。」
亮平先輩??あ、神代先輩か。
そういえば隣で寝てたよね。
と思い隣を見ると、私と一緒に起こされたのか眠そうにしている先輩がいた。
「もう、みんな帰ったよ!」
「2人とも仲良く寝てたよね〜!」
「そうそう、オレ達起こしずらかったんだから。」
「ごめんなさい。」
「あー、悪かった。」
ちょっと申し訳ない気持ちでいっぱい。
でも気持ちよかった。!