いつ言うの?
先程見た夢の話。
気がついたら、町の中を四人で歩いていた。
コロナの影響だろうか、人はまだらであった。
ちなみに、四人とは、私と歩美ちゃん(友達)、某有名歌手、某ユーチューバーの方。
申し訳ないが、私はYouTubeを見る事があまりなく、そのユーチューバーの方の名前しか分からなかった。
何故、この四人なのか分からないが、ひたすら歩いていた。
私はただ、好きな歌手が隣にいること。
その事が嬉しくて、うまく喋ることが出来なかった。
その時、何を思ったのか歌手が歌い出したのだ。
それは、本当に突然で…その方の歌の中で私が一番好きな歌。
その歌は、自分自身を鼓舞する、自分の為の応援歌。
力強い歌声に圧倒され、言葉は出てこなかった。
歌が終わり、歌手は私達に向かってこう言った。
「なんとなく、この歌が歌いたかった」
私はただ上手く言葉に出来なかった。
「ありがとうございます」
その一言しか、口から出てこなかった。
どこに向かっている訳ではないのだが、帰ることにした私達は逆方向に進む。
その時、歌手と歩美ちゃん、ユーチューバーと私という2列になった。
私は、ユーチューバーの方を知らなくて少し気まずかった。
しかし、勇気を出して話し掛ける。
「○○○さんって、ユーチューバーなんですよね?」
「そうだよ」
「私の友達が面白いって言ってました!私はあまりYouTubeを見ないんで、申し訳ないのですが…」
「そうなんだ、ありがとう」
どうしよう…会話が続かない。
こうなったら、好きな話をしようと覚悟を決めた。
「そういえば、さっき○○さんが歌を歌ってくれたじゃないですか。私、びっくりして…一番好きな歌だったから」
その言葉を言った瞬間、目の前のユーチューバーの表情が険しくなった。
「なんで?そんな事を今俺に言うの?」
「………?」
ユーチューバーの言葉の意味がよく分からなかった。
「なんで、今言うの?なんで、さっき言わなかった!」
「さっきは、嬉しくて…言葉にならなかったんです」
「それを言葉にしなよ!嬉しくて言葉にならなかったと言えばいいじゃん!もしかしたら、好きだって!嬉しかっただって!言えないかもしれないんだよ!」
その言葉を聞いた瞬間、怖くなった。
私は嬉しかったこと、言葉にならなかったことを後で伝えればいいと思った。
でも、「後で」っていつ?
それは、無事にやってくるの?
本当に?
そう考えると、ゾッとした。
私はつい知らずの間に、この後の未来を信じていたのだ。
来ることを疑わなかったのだ。
未来なんて分からない。
もしかしたら、この後に地震が来るかもしれないし、事故に遭うかもしれない。
明日もこうやって、迎えられる保証はない。
「思ったことをすぐに伝えること!なかなか、難しいかもしれないけど、大事なことだよ!もしかしたら、伝えられなくなるかもしれないし…後悔するかもしれない」
「そうですね」
ユーチューバーの言葉に押され、歌手に話し掛ける。
「あの…先程歌ってくださったあの歌。本当に好きなんです。嬉しくて、嬉しくて、ありがとうございました」
私の言葉を聞いた歌手は、豆鉄砲を食らった顔をし、そして笑顔になった。
「こちらこそ、聞いてくれてありがとう」
そう言って笑った顔が本当に綺麗だった。
起きた時に、とても心に来ました。
今も少しモヤモヤしています…
何気に、歩美ちゃんは連続出場です(笑)