表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダンジョン・オンライン  作者: みゅ
1/6

プロローグ ラストダンジョンバトル

三つ目です。ゲーム物の作品をはじめて書くので慣れていない部分もあり、更新は遅めになると思いますがそれでも良いという方は是非、読んでいただきたいです。

目の前に、ダンジョンボス―――。ジャイアント・ゴーレム、レベル83が立っている。ダンジョンの最奥部にいるボスは今までの同じダンジョンで戦ってきたモブモンスターとは当たり前だが、比較にならないほどの強さを持っている。


中でもこのダンジョンは、今あるダンジョンクエスト内でトップを争う難易度である。そのダンジョンに四人パーティーで現在挑んでいるのは、


―――マリ。このゲーム内ではそれなりの人気を誇っている自称可愛い女。だが、その美貌はほんとに存在し、数々の男性プレイヤーを魅力してきた。彼女の髪色は緑とやや異質で、髪をショートにしている。身長は約170ぐらいの少し高めでありながら年齢はまだ高校一年生だ。胸の大きさは自称Dのパッド入り。


使っている武器種は杖で、職業は大賢者。大賢者というのは魔法を司る職業の中でもかなり上級者向け。彼女のレベルは72とやや低いのだが、そのPSはパーティーリーダーでさえ驚愕するほど。


―――コウタ。レベル90で武器種はハンマー。職業はバトルマスターと、かなり大男のイメージだ。まさにそのイメージ通りで、体つきは体格がよく、体重は80kgをそろそろ超えると言っている。身長は182で高め。彼もまた、高校一年生。


―――アース。ローマ字で、Earthと書く。この名前にした理由は、ただカッコイイからという理由で、意味はわからないパーティーで唯一の中学生。中学生というだけあって現役高校生よりも遥かにプレイ時間は長く、現在のレベルは98。もうすくで、上限まで辿り着くところだ。


使っている武器種は弓で、職業はそのままのアーチャー。彼の繊細な精度は、どのアーチャープレイヤーをも圧倒する。


そして最後に、ここパーティーメンバーのリーダーを担うこの男―――。名を、イリマという。黒髪ロングというニートによくありがちな髪型で……。というのも、彼は実際にニートだった。現在は高校一年生でメンバーの誰よりも天才であるにもかかわらず、ニートだ。


彼の使っている武器種は双剣で、職業はソードマスター。彼は今までのMMOでも剣をこよなく愛していた。使い勝手がいいのだという。


彼ら四名は、現在有名なパーティーメンバーとして名を馳せている。中でも主人公であるイリマはレベル100で、全プレイヤーの中でも5人しかいないからでもある。


知名度の大半はそのせいで彼に注目されている―――。


「左、交わせ!」


リーダーであるイリマは状況判断能力において最高峰の力を秘めていた。ジャイアント・ゴーレムによるデカい拳の一撃の行く方向を長い戦闘時間から絞り出し、計算したのだ。


「りょうかいっ!」


計算通り、同じくジャイアント・ゴーレムに近接戦で戦っているコウタに拳が振り下ろされた。その巨体から振り下ろされる一撃は、レベル100であるイリマでさえも、簡単に1センチもHPを持っていかれるほどだ。


「間一髪だったぜ。助かったぞリーダー!」


「礼はまだ早い!アース!ジャイアント・ゴーレムの足を狙え!!」


「承知」


かなりのイケボ枠として元々有名であったアースは、そのイケボを活かしてまるで時代劇によくある返答で返す。


「上級スキル―――。スター・シュート」


低く落ち着いた声音で、アースはスター・シュートを放つ。星のようにつよい輝きを放ち、光のような速さで敵を貫くことから、このスキル名となっているというゲーム設定だ。


スター・シュートは狙い通り見事にジャイアント・ゴーレムの左足に的中した。左足からは血の色をしたポリゴンの欠片が刺さったところから湧き出ている。


「役目、果たしたぞ」


「ナイス、アース!奴の胴体が今にも、崩れ落ちそうな姿勢してんな!よぉし。俺に任せとけ!」


元気いっぱいな小学生のような喋り方に思わず微笑してしまうアースだったが。すぐに冷静になり、状況を把握する。現在彼の立っている場所は小さな崖のような岩壁である。


ここからなら戦況全体を見下ろせると判断し、部屋に入ってからすぐに飛び着いた。


コウタは自分の身長よりも遥かに大きい巨大ハンマーをいとも簡単にぶん回し、ジャイアント・ゴーレムの矢が刺さった左足に直撃させる。


すると、ジャイアント・ゴーレムは胴体をよろめかせてズシーンという思い音を立てて横に倒れた。


「最後に俺が留めを刺す。双剣スキル―――。ダブルサークル」


剣が光輝く。それはクルクルとイリマを回転させて剣も同じく回転する。回転しながら空を移動し、その軌道のままジャイアント・ゴーレムの頭をガッガッガッと削り切る。


みるみるジャイアント・ゴーレムのHPが減っていくのが見える。だが、留めとは行かなかったようだった。ジャイアント・ゴーレムはあくまでもダンジョン・ボス。ゆえに、このことは想定内らしく、また重い音を立てて立ち上がる。


「ちえっ。立ち上がりやがったぜ」


マリは、回復または補助役としてパーティーに属しているため、今はまだ指示がない限りじっとその場で立ち尽くしている。


(私にもなにかやらせなさいよ……)


そのことに不満を覚えていたマリは、補助魔法をかけようとするが、リーダーであるイリマがこのダンジョン攻略の前に言っていたことを思い出す。


『いいか。ボスであるジャイアント・ゴーレムはモブのモンスター共と違い、パターンが無い。もし、君が奴にとって不快な行動を取ったらヘイトを喰らうかもしれない。だから、俺が指示を出すまで絶対になにもするな』と言っていた。


(私の出番はいつ……)


イリマは攻撃を終え、ジャイアント・ゴーレムが立ち上がってまだ硬直状態になっている間に着地する。そして、剣を再度構え直し、マリに指示を出す。


「マリ!今のうちに俺らで一気にたたみかける!補助魔法、開始!」


(やっとね……)


「りょうかいっ!バフアタック!」


バフアタック―――。その名の通り、攻撃力を少しずつ段階的に上げていくバフ魔法だ。


「ナイスマジック!行くぞお前ら!」


その魔法をハンマー使いのコウタにもかける。コウタは貴重な前線プレイヤーであるため、攻撃バフはかかせない。


この戦いは、後に最初のラストダンジョンバトルと呼ばれることとなる―――。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ